今年の秋ドラマはほんとに豊作でつぶぞろい。

人気漫画原作のこのドラマも良い作品。

 

数々のドラマで実績ある根本ノンジの脚本で、ここ最近ご無沙汰だった菜々緒を主演に配したキャスティングも冴えている。

菜々緒はほぼ、演技というより彼女の持ち味であるシュッとした品格のみで勝負しているのだが、それがまた鷹野ツメ子のキャラクターを完璧に表現していて爽快だ。

そして彼女を引き立てる共演者がまた絶妙なのだ。

 

鶸田=塩野瑛久 この役はピタリ合ってました

鳩山=井浦新 彼はコメディの方が断然面白い

鵜飼=さとうほなみ 最近、めきめき良くなってきた

雉谷=工藤阿須加 「キンカム」といい、彼も一皮むけたか

朱雀部長=高橋克実 このドラマの部長役は最高

鴫石部長=安藤玉恵 上手い役者をここに置く憎いキャスト

鵙尾=土居志央梨 「虎に翼」の勢いでどんどん出てほしい

 

これらメインキャストの面々が鷹野を取り巻き、物語をドライブしていく。

特に工藤、さとう、井浦の3人のやり取りが絶妙だ。

主役は菜々緒演じる鷹野だが、キャラクター同様に彼女はほぼ何もしていない。

周囲のキャラがしっかり立っているので、彼らが分厚い演技で世界観を作り上げていく。

ここがこのドラマの面白いところと言えよう。

 

さとうほなみ。個人的にとても好きなタイプの女性。

演技もどんどんよくなってきてこれからも楽しみ。

 

土居志央梨。

この人もずっと好きな女優さん。コメディもできるし器用だ。

 

ドラマのだいご味はパッと見、有能でエリート社員に見える鷹野が実はポンコツ、しかし営業に出ると彼女の行動・発言をなぜかクライアントが(いい方に)誤解して、仕事が上手くいってしまう、という展開にある。

 

だがそれだけではなく鷹野のやること、言うことの一つ一つが妙に心に刺さるのだ。

いわゆるオフィスあるある、仕事あるあるが説教臭いでもなく自然に語られていき、それをうなづきながら見ている自分に気づく。

 

鷹野の名セリフ「会社が私を必要としているのではなく、私が会社を必要としているのです」、というのがMATTの心にも響いた。

こんな言葉を会社で発した途端にドン引き確定であるが、でも日本人はそろそろこのくらいの気持ちで仕事に臨んでも良いのでは、とも思う。

 

変なロイヤリティで会社に低賃金・長時間労働をもって報いるのはやめて、「貴重な労働力」である自分をもっと自信をもって売り込めばいいのでは、と。

ほかにも示唆に富んだ考え方がちりばめられていて、そのたびに働くってなんだろうな、とか会社ってなんだろう、、、と考えさせられる。

とはいってもMATTもせいぜい働いてあと5年、、、もっと早く考えておけばよかったと深く反省する。。。ww

 

ゲストには六角慎司、清水くるみ、真飛聖、中島ひろ子、渡辺えり、ソニン(懐かしい!)、梅沢昌代、浜田信也(最近活躍している)ら。

 

11話くらいまで見たかったが8話であっという間に結末を迎える。

しかもその8話はこれまでの話の流れを無視するかのように、急に鷹野らが所属する営業部が廃止、全員解雇となってちりちりばらばらに会社を去っていくという、なんとも雑な展開。

やや急場しのぎ的な脚本に、少し違和感を感じた。

 

だが、このドラマはありだ。

ぜひ、続編かもしくはスペシャルで彼らのゆるく楽しい世界をまた覗いてみたい。