3作の映画を観てきたファンならすんなりと入っていける。
今回は全11話のストーリー。
前半は伝説の殺し屋・宮原(本田博太郎)のプロジェクトに参加するお話。
後半はちさととまひろがマネジャーの須佐野(飛永翼)から、協会主導の施策であるジョブローテーションを告げられ、新しい職場での人生を変える出来事を通じ、殺し屋として、人間として成長する物語。
2人のゆるゆるの日常と激しいアクションと殺しのシーンのGAP萌えは変わらずなのだが、連続ドラマになったことで、より二人の日常が深く切り取られ、GAP萌えもパワーup。
前半は本田博太郎のクセの強さに引っ張られ、殺し屋協会の特異な組織内情がこれまで以上によくわかるストーリーとなっている。
後半はちさとは営業部、まひろは協会の裏切り者を粛清する部門に配置され、それまで協会からの言われるがまま仕事をしていた新人だった二人は、大人の社会?の厳しい現実に戸惑い、悩む。
これは初期映画版の頃からの一貫したコンセプトだが、「べびわる」は殺し屋という非現実的な設定の裏に、現代の若者が直面する様々な課題や世相を見せてきた。
ドラマ版でも前半部では時代遅れなシニアに翻弄され、不条理を感じながらの仕事を強いられるという、まさにMATTの会社でもありそうな設定。後半部は大人に搾取される弱い立場の若者たちが、異様なテンションの裏に隠された不正にまみれた職場(ブラック企業)や、粛清さん(柄本時生)との出会いで人を信頼する気持ちを初めて知るなど、ちさととまひるの目を通して今の若者たちのリアルが反映されているようだ。
そんな深読みはさておき、なんといってもちさまひの二人が仲睦まじく、悩みぶつかりながらもお互いをいたわりあって生きていく姿に、ファンはエールを送りたくなる。
それが「べびわる」がファンに支持され続けるゆえんだ。
ゲスト出演は、山本浩司、水澤紳吾、後藤剛範、小島藤子、前田旺志郎、諏訪太郎、森下能幸らの個性派バイプレイヤー、そして浜野謙太、前田敦子なども顔を見せる。
箸休めのように挿入されたちさとの実家への里帰りのお話では、ちさとの両親に橋本じゅんに中島ひろ子。なかなか豪華である。
伊澤彩織のキレのあるアクションや、高石あかりの感情ゆさぶる演技は健在なのだが心配は今後の動き。
世間を驚かせた高石あかりの朝ドラヒロイン抜擢がどう影響するか。
撮影に入ったら少なくとも半年は拘束されるので、来年一年間は続編もないのかな、、、と思うと寂しい。
映画でもドラマでもよいので、早く次の「べびわる」をと全国のファンは待ちわびることになるだろう。
毎回ユニークなファッションの二人だが、映画版に続き今回のドラマ版でもちさとは栃木の名物?「レモン牛乳」のTシャツを着ていたのが気になる。。。。