SF小説界の巨匠・ロバート・A・ハインラインの古典作品を映画化したものということで、興味本位で観てみた。
もちろん、推しの清原果耶が出演している、というのもあったが。
70年近く前のタイムトラベル(敢えて昔のワードで・・・)を題材にした小説だが、昔のSF小説は未来に希望を持たせたものが多かったように思える。
本作も、主人公が諦めずに求めた未来はハッピーエンドを迎えるようにできている。
主人公の高倉宗一郎に山﨑賢人。ヒロイン・璃子に清原果耶。
30年後の未来で宗一郎と出会い、物語後半で活躍するヒューマノイド・PETEに藤木直人。
この藤木直人のヒューマノイド役はなかなかの出色である。
監督は「今夜、世界からこの恋が消えても」の三木孝浩(フォルトゥナの瞳はダメだったが、、、)。脚本は「HOMESTAY(ホームステイ)」などの菅野友恵。
清原果耶は有村架純や広瀬すずなどと同様に「どの作品でも演技が同じ」という、アンチの批判を浴びることが多い。
だが、どの作品でも女優個人の存在感を出せる女優さんというのは、華のある女優さんであると考える。
演技派や個性派と違い、本格派というのが彼女らのような女優さんのことを言うのだろう。
この作品でも清原果耶は出番がそれほどなかったものの、彼女の魅力を十分に堪能できた。
清原果耶。
現在放映中の「マイダイアリー」で久々の地上波主演。
物語冒頭から約40分ほどは非常に動きが悪い。
その後は展開が早くなり面白くなっていくので、最初の40分の演出が実に残念だ。
ただ、それを差し置いてもこのお話をもっと面白くするには2時間の尺はあまりにも短い。
地上波ドラマの尺(10~13回)は逆に長すぎると思うので、配信系のように6話くらいのお話にすると、宗一郎と璃子の二人の恋模様ももっと深く奥行きのあるものになり、感動を呼ぶドラマになったろう。
また(おそらくだが)予算など限られていたことから、未来やテクノロジーがテーマのドラマなのに、イマイチ世界観の構築が弱かったことから、というのも理由だ。
起点の現在を1995年にして、現実世界とは違った時代を設定しつつ未来を2025年に持ってきた涙ぐましい工夫もしかり。
配信系のようにもう少しお金がかかっていれば、、、とも思う。
クレジットされる主要な役者は少ない。
原田泰造、夏菜、高梨臨、浜野謙太、眞島秀和、田口トモロヲなど。
田口トモロヲ扮する科学者に突撃取材する役者、どこかで見たなと思っていたら「ハヤブサ消防団」などで怪演していた浜田信也だった。舞台役者さんだが、「ハヤブサ・・」で注目されて、その後色々なドラマで見かける。なかなか癖が強くもっと見てみたい役者さん。
あとはクレジットで小林涼子の名前があったが、こちらはどこで出ていたのかわからなかった。
ちなみに夏菜は久しぶりに見た(といっても3年前の作品だが)が、いつの間にかセクシーになっていて驚いた。
もともとがSFの古典がベースのため、様々な角度から考証したりして観るものではなく、SFファンタジーとしてさくっと観た方がよい。
タイムリープを題材としたSFものは、気持ちがもやっとしている時に観てほしい、
希望を持って明るい未来だけを見つめる、という前向きな気持ちになれるからだ。
そういう意味で、この映画はイージーに楽しめる。