夏ドラマは豊作だったため、一気見用にお取り置きしておいた作品だったが、このドラマよりも面白くないドラマを見てしまっていた自分に気づき、反省。。。

 

世間の評判も良かったのでunblockで視聴したが、松本若菜の軽妙かつ感情の起伏の豊かな演技、松村北斗の娘・ルカ役を演じた4歳(!)の子役・倉田瑛茉ちゃんの可愛く子供らしい演技に魅了されてしまった。

 

まだ4歳の倉田瑛茉。あの芦田愛菜ちゃんも「mother」出演当時は5歳だった。

この子、本当に子供らしいナチュラルな演技で、とてもよかった。

これからも色々なドラマでお目にかかれるかも。

 

原作・脚本もとても素晴らしかった。

松本演じるキャリアウーマンの西園寺一妃と松村演じるシングルファザーの楠見俊直、その娘のルカ、そして松本と恋に落ちる料理系YouTuber・カズト横井(津田健次郎)の4人の恋模様を中心に進んでいく。途中で太田莉菜演じる橘エリサが出てくることで、あれ?ただの恋物語?とか思っている自分が、大いに間違っていることに気づかされる。

 

タイトルにある通り西園寺さんは家事をしない。

そして、楠見とルカとともに「”偽”家族」を営もうとするように、家族というものにこだわりも思い入れもない。彼女にとって家族や家事とは何なのか?は、物語が進んでいくにつれて少しずつ見えてくる。

 

基本的にはハートフルコメディなのだが、油断していると10話、11話でほろっとさせられる。

特に終盤に登場する西園寺さんの母親(家族を捨てて家を出ていった)が登場するが、演じる高畑淳子の圧巻の演技、それを受ける松本若菜も素晴らしく、ここだけ全然違うドラマを見ているように感じてしまった。

母親がなぜ西園寺さんたち家族を置いて出ていったのかを吐露するシーンで、西園寺さんがなぜ家事をしない人なのか、そして家族とは何なのかが見えてくる。

 

家族だからこそ正直に思っていることを話し合うべきだったのに、それをしなかった母。

そして黙って家を出ていった母親を憎んでいたが、その母の独白で自分も母と同じことで悩んでいたことに気づく西園寺さん。

家族や家事に縛られていた母親とそれに気づくことができなかった家族。

この10話の母娘のやり取りで、これまでのストーリーの色々なモヤモヤがすっと消えていくようなカタルシスを感じる。

 

西園寺さんが選んだ道はすべて正しいものではなかったのかもしれない。

けれど、誰も傷つかない決断や人生などはない。

しっかり目を見て話したり、信じたり、自分に正直であることで、道を切り開くことができる。

 

民放地上波にしては珍しく、色々と考えさせられ感じることができるドラマだった。

この夏ドラマでベストのドラマだとあらためて感じる一品だった。

 

共演者は良いキャスティングでさすがドラマのTBSと、ドラマファンにも納得。

西園寺さんの会社の同僚に、「私の家政夫ナギサさん」の馬場さん役が強烈だった水澤紳吾、濱田マリ、藤井隆、濱田龍臣、横田真悠、うらじぬの。

家族には浅野和之、村川絵梨、友人に塚本高史、野呂佳代。

楠見の亡くなった妻に松井愛莉。

ゲストにもベンガル、奥貫薫、前野朋哉、尾上松也などの俳優陣が豪華だ。

 

ラストシーンでルカが「また会いましょう」というようなセリフを言って終わる。

もしかすると、「ぎぼむす」のようにSPなどで帰ってくるかもしれないと期待させる。

新たな一歩を踏み出した3人の未来を見てみたい気もするが、このままスパッと終わるのもいいかな、、、とも思う。

 

あと、BUMP OF CHICKENが歌う主題歌「strawberry」もドラマにばっちりハマっていてよかったです。