昨年放送された、「À Table!〜歴史のレシピを作ってたべる〜」の続編。

 

前作は、主人公のジュン(市川実日子)が彼女の働く大学の教授である浜口あすか(神野三鈴)にからもらう古代ヨーロッパの歴史飯を作るシーンを軸に、ジュンとヨシヲ(中島歩)のスローライフが描かれた。

吉祥寺の自然の中で営まれる、平凡な夫婦の日常を描いているだけなのになぜかホッコリする良いドラマだった。

 

今作は「暮らしの手帖」編集部が発行する「おそうざい十二カ月」「おそうざいふう外国料理」をベースに、少し昔の日本の食卓が再現されるというお話。

 

前作同様にジュンとヨシヲが仲良く料理を作るシーンも微笑ましいが、お料理自体も古き良き日本の食卓を彷彿とさせるものばかりで、興味深かった。

 

思えば自分の母親も含め、かつてのお母さんたちはこうやって時間のかかるものを根気よく、それこそ365日作ってくれていたのだ。

それぞれの料理の工程を見ると、なんとも手間のかかること。

確かに、昔のお母さんたちはずっと台所にいたっけ。

今は亡き母親に感謝の言葉を伝えることもできないのが、悔やまれる。

 

出演者は前作から継続、新たな人物としてはジュンとヨシヲが借りている家のオーナーでイギリス在住の叔母さん、藤田圭子(矢代朝子)が登場。

このドラマ、圭子叔母さんにしても浩子叔母さんにしても親戚づきあいがナチュラルだ。

こんなに親戚って仲良くないよな、、、、と思ったりするが、世の中にはそういう家族も多数いるのだろう。自分の家を基準に考えてはアカン。。。

 

ジュンとヨシヲの関係性は一言でいうと、夫婦というより人生の同伴者というべきか。

二人ともお互いの歩調に合わせてゆっくり、ゆっくりと一緒に歩いていく。

どちらかが生き急ぐ時はたしなめ、一所にとどまりそうなときは手を引いてあげ、、、、

そんな関係性が、これまたスローなお料理とともにさりげなく描かれる。

 

世界観ばかりに目が行ってしまいがちだが、市川実日子、中島歩の二人の俳優の力を見過ごしてはいけない。

どこまでがセリフでどこからがアドリブかは預かり知らないが、穏やかな日常とお互いに対する思いやりがこれほど自然なのは、二人の演技力のなせる技だ。

 

もう一シーズン観たいかな、と思わせるよいドラマだ。

 

芋生悠も引き続き出演。

「極悪女王」ではもう少し出番が欲しかった。。。。