いつものように推し女優の一人、福原遥が出ているというので見てみたドラマだったが、思いのほか楽しめた。

 

「例の一件」以来、日テレは漫画原作のドラマ化を自粛していて、今作も丑尾健太郎脚本によるオリジナル作品だ。

 

何と言っても、これまでほんわか癒し系の役が多かった福原遥が、まさかのダークな役柄というのがまず面白い。

汚いものなど何も見てこなかったわ~、みたいなくりくりした大きな目で、恐ろしい一言を口にしたり、謀略を計ったりと、福原遥の新境地のようなドラマだった。

 

ストーリーは、当初は泉里香演じる姉の不可解な死の真相を突き止めるため、姉が勤めていた九条開発に潜入し、真犯人を追い詰めていくというものだったが、途中で九条開発のお家騒動の方の比重が大きくなってしまい、少々ぼやけてしまった部分はあったものの、TOTALではサスペンスものとして、十分楽しめた。

漫画原作に頼らず、本当に面白いものを作ろうとすれば民放TV局もまだまだやれる、という自信がついたのではないだろうか。

 

このドラマのもう一つの見どころは、福原遥演じる本宮密子、松雪泰子演じる今井夏、上杉柊平演じる九条遥人らが着こなす色とりどりの奇抜なファッションである。

毎回のように晴れやかな衣装が登場し、時にそちらが気になり過ぎてストーリーが頭に入らないこともあった。。。笑

ちなみに福原遥と上杉柊平は、「18/40~ふたりなら夢も恋も」でも共演。

 

キャスティングで良かったと思えるのは松本千秋を演じた桜井日奈子。

彼女は女優としてこのドラマでしっかりと手ごたえをつかんだことと思う。

コメディエンヌとしても、シリアスも行けそうな予感、次回作が楽しみだ。

 

デビューからずっと悩み続けていたという桜井日奈子。

不自然に甲高い声だったのも、ずっと緊張していたからだとか。

本当の彼女はしっとりした低音ボイスで色っぽい。

芸能の世界でやっと自分を見つけた彼女に期待。

 

共演者も日テレらしく、美少女、イケメン中心に良いキャスティング。

志田彩良(福原遥とはゆるキャン△以来?)、吉柳咲良、玉田詩織、清水尋也ら若手と、小柳ルミ子、渡辺真紀子、黒羽麻璃央(桜井ユキの夫)、神保悟志、石井正則らが固める。

山中聡(おいハンサム!!の、社長・・・)、綾田俊樹らはゲストで参加。

 

「あなたが変われば世界が変わる」

と言う呪文のような言葉で、つましい生活をしていた今井夏を大会社の社長にまで上り詰めさせ、シンデレラストーリーを演出する謎の女・本宮密子。

 

謎に満ちたオープニングから、どちらに転ぶかわからない展開で最終話も二転三転してミステリーとして充実度が高い。

福原遥の安定した演技に加え、松雪泰子のさすがの実力。

福原遥は「18/40~ふたりなら夢も恋も」でも深田恭子とシスターフッド的なお話をやったのだが、このドラマも同様、二人の女性が互いに自らを高め合い人生を生きていく様が、爽やかに描かれた。

福原遥は安易に恋愛ものに走らず、こういったヒューマンドラマで実力を発揮していて好感が持てる。

 

松雪泰子の存在は大きい。

序盤ではタダのいい人、途中からミステリアスな女となった今井夏を彼女が演じることで、物語に厚みが出たと思う。

 

主題歌はSuperflyの「Charade」。パワフルでスケールの大きな楽曲で、ドラマの世界観を盛り上げるいい曲です。