テレ東ドラマなのである程度は期待していたが、白石聖が出ていて彼女がネットのインタビューで「普通の弁護士ドラマと違い、地味でマジメ」と語っていたのに興味を持って観てみた。

 

彼女が言う通り、弁護士ドラマでありながら一番の見せ場でもある法廷闘争の描写は一切なく、ネット社会の様々なトラブル、特に誹謗中傷や炎上といった身近な話題に特化している。

昨年放送された「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」も、弁護士というのは人間同士のトラブルに寄り添い、泥臭く活動するものだという点で共通点がある。

 

だが、この作品の主人公である保田理(中島健人)は全然泥臭くも人情派でもない。

頭がキレて弁護士としては優秀だが、コミュニケーションに難がありスイーツが大好きという変人である。

そんな変人弁護士とバディを組むのが加賀美灯(白石聖)。

保田が劇中で言う通り、「一緒にいてバランスの取れている」2人が様々な難トラブルを解決していく中で、現代ネット社会の人々の様々なストレスや心の闇が暴かれていく。

 

たった8話で終わってしまうがテレ東の「ドラマ8」は毎回7~8話で終了し、10月からは「ドラマ9」に移動するとのこと。

 

共演者に最近安定の演技で光る、片平なぎさ、灯の父親に橋本じゅん。

ゲストは毎回バラエティに富んでいて、楽しめた。

足立梨花、志田未来、平祐奈、小手伸也、浅利陽介、入山法子、佐津川愛美(「新宿野戦病院」でも記憶に残るゲストに)、赤間麻里子、勝村正信、西尾まり、袴田吉彦、戸田昌弘、山本佳祐など。

 

中でも7話「あじぇる編」での、あじぇる役の瀧七海は面白いと思った。

この7話が本作品の中で一番、恐ろしくて身につまされた。

瀧七海演じるあじぇるの心の叫びが、視聴者にもグサッと突き刺さる。いい演技をしていると感動した。

彼女、MATTが過去に見たドラマに結構出ていたようだが、あまり印象に残らず。でも今回のあじぇる役は見事な感情表現で18歳とは思えない。将来が楽しみな役者さん。

 

瀧七海。自分を誹謗中傷した少年への罵倒ぶりが怖かったし、同情した。

素晴らしい演技だった。

 

中島健人は初めて見たが、セリフの言い回しやリズムがとても小気味よく、安田という風変わりな弁護士を嫌みなく、活き活きと演じていて好感が持てた。

 

白石聖は最近、本当に大人っぽくなった。

このドラマではあまり活躍の場はなかったものの、ネットで炎上して精神的に追い詰められるお話では、彼女らしい繊細な演技が光った。

コメディもシリアスも上手い彼女。今放映中の「Shrink-精神科医ヨワイ」の第3話に出演予定。どんな演技を見せてくれるか楽しみである。

 

白石聖。ずっと推している女優さん。また主演ドラマが観たい。

 

主人公の保田と同じく、MATTもSNSはこのブログ以外は一切やっていない。

やはり自分の思いもよらないところでトラブルに発展してしまうのが怖いからだろう。

そんな恐ろしいものに若い人たちがさらされ、巻き込まれてしまうというのが現代。

まるでNHKの教育ドラマのように、ネット社会、SNSの恐ろしい側面をわかりやすく説明するこのドラマ、家族で楽しみながら見てもらいたい作品だ。