最近民放地上波では、NHK、テレ東に次いで安定したクオリティのTBSなのだが、この「9ボーダー」は残念ながら期待を裏切られてしまった。
金子ありさの脚本、七苗(川口春奈)、六月(木南晴夏)、八海(畑芽育)共演で、19,29,39とそれぞれが年齢の節目で人生に、恋にもがきさまよう、、、といったようなストーリーと聞いて、勝手に「おいハンサム!!」の3姉妹のようなイメージを勝手に作ってしまっていた。
だがフタを開けてみると、松下洸平演じるコウタロウの記憶障害にまつわるミステリー、舞台となる実家「大庭湯」の存続問題、3姉妹の父親(高橋克実)や亡くなった母(堀内敬子)、齋藤潤演じる弟・九吾らとの家族の問題などなど、いろんなテーマを盛り盛り、マシマシし過ぎてグダグダに、、、、、
いったい、3姉妹の「9ボーダー」はどこに行ってしまったのか。。。。
3話くらいからそんな怪しい雲行きになってきて、結局何が何だか・・・というままで大団円。最終話でかなり強引に3姉妹の「9ボーダー」をこじつけて盛り込んだような体になっていて、全然共感できなかった。
特にコウタロウ=柴田悠斗が記憶障害前の許嫁であった百合子(大政絢)と別れ、七苗と付き合うことになるラストは、モヤモヤ感しか残らない。
六月と八海はそれぞれが自分の生き方を見つけ、人生を一歩踏み出したのだけど、七苗のそれはあまりに普通。
仕事はバリキャリ、3姉妹の中でも最もしっかり者の七苗の選んだ道が、好きだからしょうがないもん。。。。って。
女性にとって「9」のつく年齢は大きな意味を持つのだろうし、その瀬戸際での逡巡や葛藤、あがきを見たかったのに、ただの恋愛ドラマだったということか。
こんな感じのドラマ出演が続くのなら、川口春奈主演ドラマはもういいかな、、、と思ってしまった。
むう、無念。
共演者は、井之脇海、木戸大聖、伊藤俊介(オズワルド)、YOU、箭内夢菜、内田慈、山中聡(おいハンサム!!では木南晴夏と絡まないけど、ナイスな社長役)、彼の不倫相手にさとうほなみ、浅野和之など。
畑芽育は八海役を繊細に演じていたと思う。
主演ではなかったけど、印象に残る演技で次もいい役をもらってほしい、、、と思った。