先日unblockにupされた。
ちなみに「シン・ゴジラ」は大好きでもう3~4回見返していている。
「ALWAYS三丁目の夕日」や、「永遠の0」を撮った山崎貴監督作品なので、昭和を舞台にした映画として安心して観ることができる。
制作費15億円という低予算でアカデミー賞の視覚効果賞を受賞、しかも監督として受賞したのは、あのキューブリック監督(2001年宇宙の旅)以来、55年ぶりというから驚きだ。
キューブリックの頃はCGも無く、本当に特撮に金と時間をかけて大変だったろうと思う。
南方の島でのゴジラとの遭遇エピソードから、戦後復興真っ只中の東京までの流れはスムーズで、そこからゴジラとの再遭遇までをダレることなく展開していく脚本は素晴らしい。
神木隆之介+浜辺美波というとNHK朝ドラの「らんまん」そのまま、佐々木蔵之介も含め山崎監督は朝ドラで印象に残った役者を据えたらしい。
まあ、神木、浜辺ペアはまさに正統派昭和顔だし、不足はないだろう。
劇中、ゴジラとの相模湾決戦を前に吉岡秀隆演じる野田が、ゴジラとの闘いを前に太平洋戦争と違い、みんな生きて帰るんだと鼓舞するシーンがある。
そのシーンでMATTはとても安心した。
安易な自己犠牲のドラマではなく、悲惨な戦争を通して何を先人は残したかったのか、残したのかを山崎監督はしっかりと受け止め、伝えようとしていた。
「永遠の0」は映画は観ていないが、原作の素晴らしさを考えるにやはり生きることへの執着と、命の尊さを大切にしているからこの映画ができたのだろう。
主人公の敷島(神木隆之介)は、特攻隊員でありながら生きることを選び戦闘を回避して帰ってきた。その行為をずっと卑怯者であると苦しんで生きて来たが、最後の最期にゴジラと闘い抜いて生きる道を選ぶ。
それが、戦争で死んでいった多くの人たちの無念を弔うことにもなるからだ。
戦争を生きた人たちの色々な思いが、ゴジラには込められていたのだろう。
それぞれの人たちの中にあった「終わらない戦争」が、ゴジラが深海に沈んでいくことで終わりと告げた。
神木隆之介、浜辺美波、佐々木蔵之介、吉岡秀隆、山田裕貴、安藤サクラ、青木崇高。
ほかにも役者さんは多数出ているが、ほぼこのメンバーで話は進む。
「シン・ゴジラ」の異様なまでの出演者の多さとは違って、すっきりしている。
最近時、日本の監督によるゴジラ作品はどれも秀逸だ。
また新解釈のゴジラがリリースされることを期待したい。
最後に、神木隆之介がゴジラに対峙する際に乗った幻の極地戦闘機・震電は、ミリタリーマニアにはしびれる起用だった。
どうせなら同じく戦局末期に企画のみで終わった幻の超大型戦略爆撃機・富嶽も登場させてほしかったが、それはやりすぎだな。。。。。