蓮佛美沙子の主演作品とはなかなかないので観たかった。

また、もう一人の主演を張るのがトリンドル玲奈。こちらも主演でのドラマは珍しい。

テレ東作品で、チーフプロデューサーが祖父江里奈というのも安心できる要素だ。

 

バリキャリの太田あいこ(蓮佛)と、絵本作家の浅野ともこ(トリンドル)は昔からの友人同士。

ひょんなことからあいこのマンションの一室で、二人は生活をともにすることになる。

仕事に打ち込みながらも恋愛も楽しみたいあいこと、最近よくとりあげられる(といってもNHKくらいだが)アロマンティック・アセクシャルのあいこの二人の物語りは、NHKの「作りたい女と食べたい女」のように、穏やかな時間の中で様々な葛藤に向き合う二人の人生が、時に微笑ましく、時に胸に迫るエピソードで綴られる。

 

二つの作品に共通するのは、それが異性間だろうが同性間であろうが、人生を共にする二人の間に本当の意味でのコミュニケーションが無ければ、真の人間関係は成立しないということであろう。

このドラマには二人の女性以外に、あいこと結婚することになる杉浦ゆき(鈴木仁)と、ともこの友人のしんた(三河悠冴)と言う二人の男性も登場する。

ゆきは至極まっとうで普通の感性を持った若者、しんたは少しアーティスティックな感性を持ったリベラリストとして、あいことともこの生活に様々な影響を与える。

 

作り手が描きたかった、人が何と言おうと自分たちがどう生きるか、何を幸せとして二人で暮らすかということはよく伝わってきたと思う。

あいことともこは、精神的に強い絆で結ばれた友人同士としてカップルのありたい姿を見せてくれたが、これはどのカップルにも当てはまる理想形なのだと思う。

互いが依存しあったり、お互いを理解しないまま暮らすことは結果的に幸せに結びつかない。

 

二人がたどり着いた結論、お互いが近くにいる生活・人生が何ものにも代えがたい幸せを生んでくれる、そんな存在であり続けるということ。

そのためには互いが言いたいことを伝えあい、そうすることでお互いの気持ちを確かめ合うことが大事だ。

最終的には二人は別々の生活を送るのだが、それも互いの幸せを尊重してのこと。

どこまでも優しいがつかんだ真の幸せがそこにあった。

 

共演者は極端に少ない。

名のある俳優さんというと、河合青葉に宮崎美子、くらいか。

それだけ4人の人間模様を中心に濃密に描かれるということ。

 

河合青葉。大人の女性の素敵な感じがにじみ出る、好きな女優さん。

 

オープニングテーマは甲田まひるの「Cherry Pie」。

ポップでノリのよいいい曲です。

 

劇中、旅好きのしんたが「青ヶ島」に行くというエピソードがあった。知る人ぞ知る現代の秘境、青ヶ島。一度行ってみたい。。。。

 

最後に、「作りたい女と食べたい女」の野本ユキ同様、ともこはとても器用に美味しそうな料理を毎回作る。中でも鮭のクリーム煮がちょっとそそられた。。。