このタイトルからはどんなドラマなのか想像できない。
原作は「別マ」の連載漫画なので、ガチ少女漫画である。
そのためか、2018年制作の本ドラマは主演が重岡大毅と神山智洋のジャニーズのW主演。
そして、共演に当時注目され始めた清原果耶と富田望生の二人の実力派女優。
清原果耶を見たくて選んだドラマだったが、想像以上に面白く楽しめた。
テーマはよくある「入れ替わりもの」なのだが、最終的には4人の登場人物が総入れ替わりするほどストーリーが複雑で、それでいてちゃんと破綻しないでわかりやすく進むので、原作がしっかりしていて脚本もまともだったのだろう。
物語自体は壮絶な内容だ。
森田望生演じる海音然子が、特殊な力を使って美少女の小日向あゆみ(清原果耶)と体を入れ替わるところから始まる。
その容姿からずっと他人から認められず虐げられてきた然子。
そして何不自由なく幸せに生きてきたあゆみ。
二人の体が入れ替わることで、友人の火賀(重岡大毅)と水本(神山)も巻き込んだ騒動に発展していく。
人間は容姿ではない、清い心こそが大切なのだなんて通り一辺倒の結論にならないところがよい。たった6話だが結末に至るまで、さまざまな人間模様と4人それぞれの心象が深く描かれて、人間の心の奥に潜む本当の気持ちを鋭くえぐりだしていく。
どこまでも心根が歪んでひねくれている然子、純粋な心を持つあゆみを、富田と清原はその役になり切り演じていて、二人の若手実力派の演技を堪能できる。
清原果耶の安定感ある演技も健在。この子の才能には恐れ入る。
また結末では火賀と水本の男の友情とヒロインを思いやる優しい気持ちも描かれ、ホッとするとともに爽やかな感動も得られる。
何気なく選んだドラマだったが、とてもよくできていて楽しめるエンタテインメント性の高い作品だった。隠れたお勧めの一品である。
出演者は、2013年のdinnerではかっこよい料理人を演じていた関めぐみ。「渡鬼」で強烈な印象を残した中島唱子、霧島れいか、六角慎司、駒井蓮など。
また、まだ無名だった森田望智が生徒役で出ていた。
劇中、然子(富田望生)が走るシーンがやたら多く出てくる。
しかも、このドラマの中ではかなり太っているのだが(彼女は演じる役によって、すごく太ったり、ややぽっちゃりになったりとすごい)、結構走るのが早いのだ。
彼女の走る姿はこのドラマのもう一つの見どころかもしれない。
彼女のポジションは貴重。これからもそのあふれんばかりの個性で活躍してほしい。