15分番組でシーズン1は10回、2は20回なのだが、シーズン2の1回としてスタートではなく、11回から始まる。つまり、シーズン1と2は1年以上放送間隔が空いているが、つながっているのだ。

 

シーズン1では野本さんが自身の性的志向に気づくところで終わった。

2では、はっきりと野本さんは春日さんのことを恋愛の対象として好きであることを自覚する。

そして、春日さんも自分と野本さんの関係性について、シーズン2より登場する南雲世奈(藤吉夏鈴)によって気づかされることになる。

 

そして二人がお互いのことを好きであることを告白し、めでたく二人はお互いの気持ちを受け入れて付き合うことになる。

その過程での野本さんの葛藤、すなわち自分の気持ちを打ち明けたいが、春日さんとの心地よい関係を終わらせることにならないか、という不安や相手への気遣いなどが切なく描かれているのがよい。

 

春日さんも抑圧された生い立ちから、自分の意思を主張することをやめてしまっているため、それが野本さんに誤解を与えてしまうことに苦しんだり。

 

そういった繊細な感情の表現や想いのやり取りがとても丁寧に描かれており、もどかしいというよりも二人を応援したくなってしまう。

 

ドラマの中には女性同士だからこその、お互いの気持ちに先回りして思い遣る人間関係が随所に見られる。森田望智演じる佐山さんとの思いやりに満ち溢れた関係もしかり、南雲世奈とともに新たな登場人物となるレズビアンの矢子可菜芽(ともさかりえ)の人間的な懐の広さなど。見ていてほっこりとさせられる。

 

矢子はレズビアンでもアセクシャルという、また複雑なタイプ。

アセクシャルというと「恋せぬふたり」で岸井ゆきの、高橋一生らが演じた人たちだ。

また「女子的生活」で志尊淳が演じた主人公は、体は男で心は女性だが、恋愛の対象は女性という複雑さ。(そういえば、全部NHKドラマだ、、、、)

一口にLBGTQ+と言っても、分類すると多岐にわたる。

ひとくくりに出来ないところに難しさがある。

 

劇中で、春日さんが引っ越しすることになり野本さんに一緒に住もうと提案する。

そして二人で部屋探しを始めるのだが、同性カップルにとって一緒に住む部屋を探すのは、これまた容易ではないことに気づかされる。

様々な障壁を目の前に打ちのめされる二人なのだが、南雲や矢子、佐山さんら周囲の人たちの応援もあり、最後は二人で暮らせる部屋を見つけるところで物語は終わる。

 

最終回、食事の後に野本さんが春日さんにハグやキスをしていいか質問する場面がある。

恥ずかしそうに聞く野本さんのことを受け入れる春日さん。

とても初々しいキスシーンを見て、なんだかウルウルしてしまった。

ここまで長い道のりだったけど、よかったな。。。と。

 

主演の比嘉愛未の演技は細やかな感情表現含め、本当に素晴らしかった。

一方、素人ながらそのナチュラルな演技で春日さんを好演した西田恵未もナイスキャストだったと思う。

二人の演じるカップルは、男女間のそれとまった同じでお互いに思い遣り愛し合う存在は尊いものだということをわからせてくれた。

 

南雲世奈の会食恐怖症のエピソードや、佐山さんの結婚感、矢子可菜芽の自身の性的志向との葛藤など、実に共感できる内容が盛りだくさんで良いドラマだった。

ダイバーシティの時代、お勧めの一本だと思う。

 

最後に、劇中に野本さんが作る料理の数々は本当に美味しそう。

ロールキャベツや最終回のコロッケは、マジ食べたくなった。

そして、キッチンに立つ比嘉愛未の可愛らしさには脱帽。

妄想タイム、充実してました。。。。笑

 

シーズン3もやってほしいドラマでした。