先週末、多部ちゃん出演映画の「空に住む」を観て、・・・・・だった。

こっちを観ればよかったと後悔しても、あとのカーニバル。

 

今泉力哉監督作品。

好きなタイプの監督さんだ。肩に力が入っていないのがよい。

これまでも色々な作品を観て思うのだから、間違いないだろう。

 

三浦春馬と多部未華子という組み合わせは最強だ。

これほどナチュラルな関係性のカップルを演じることができるのは、やはりそれ相応の実力がないと、と思う。

 

舞台が仙台というのがよい。昨年訪れた仙台駅周辺も頻繁に出てくる。

以前も書いたが、もっと地方を舞台にしたドラマ、映画があってほしい。

 

人の出会いとは何か、そこに運命は存在するのか。

ごく普通の人たちの日常を描きながら、人と人の出会いが生み出すもの、その意味や幸せの形など、それぞれのエピソードから自分の人生を振り返り、考えさせられる。

 

佐藤(三浦春馬)と、紗季(多部未華子)の出会いなどは、十分ドラマチックで運命的なのだけど、二人はそれを簡単に運命であると定義付けない。

それを証拠に10年も付き合ったまま結婚もしないが、結婚がゴールというのも違うのかも。

なぜ、自分たちが出会い一緒にいるのか。

二人とも、その意味を考え自分なりに結論を出そうとしている。

最後に二人が出した結論は平凡かもしれないが、それは運命などに意味を求めるのではなく、自分なりに目の前の大切に思える人のことを考え、出した結論である。

それ自体がとても美しい。

夕食のテーブルで、紗季から以前もらっていたプロポーズへの返事を伝える場面。

二人のなんとも穏やかで自然な演技が、とても印象に残った。

この映画で一番のシーンだ。

 

主人公の二人同様、彼らと関係する人たちも、それぞれがそれぞれの出会いについて考え、感じ、前に進んでいく。

織田家(矢本悠馬、森恵梨佳、恒松祐里)、藤間家(原田泰造、八木優希)、久留米家(柳憂玲、濱田マリ、萩原莉久)、小野家(貫地谷しほり、成田瑛基)らは、主人公たちともつながりがあるのだが、平凡な日常では誰もそれに気づくことはない。

我々の人生はそうやって作られているのかも。

そしてそれは運命なのか、はたまたそうでないのか。

大切なのは出会いの偶然性ではなく、出会った人をどれだけ大切に思うか、だろう。

そんなことを考えてみたくなる一品だった。

 

その他、MEGUMI、藤原季節、サンドウィッチマンの二人は舞台が仙台ということで、特別出演のように参加。

 

恒松祐里。当時20歳。高校生役が実にキュート。

こんな素敵な子がクラスにいたら、、、、と妄想。

 

あと、三浦春馬が多部ちゃんの乗ったバスを追いかけて走る姿をカメラが結構長く追いかけるが、彼の走る姿は美しい。これまでのドラマ、映画でもたびたび見たが運動能力が高いのだろう。松田優作の走る姿も美しかった。ともに若くして亡くなっているのが惜しい。

 

今泉監督作品は、この映画のように人を見つめる眼差しの優しさがとても心地よい。

次回作も楽しみだ。