これを見るなら、同じ多部ちゃん出演の「アイネクライネナハトムジーク」を見ればよかったと後悔。三浦春馬主演だし、今泉力哉監督だし。。。

 

共演者が「意味が分からない」を連発したという、ある意味伝説的な作品。

多部未華子、美村里江、岸井ゆきの、岩田剛典、鶴見辰吾といった豪華キャスティングに加え、大森南朋、永瀬正敏、柄本明ら、脇役までしっかりしているのに、何、これ、である。

(片岡礼子も出ていたが、大森南朋の奥さん役でほんの一瞬のみ。。)

 

たぶんに描きたかったことは何となくわかるのだけど、いかんせん、主人公の小早川直美(多部ちゃん)の心象描写があまりに雑すぎて、ただのメンヘラ女子にしか見えないところが酷い。

 

ああ、あまり好きな映画やドラマのことを悪く書きたくはないのだけど、この映画はもう始まって15分でどないしようか、と。

プロットがおかしい作品は冒頭でだいたいわかってしまうものだが、これはもしかしてフランス映画の印象派の流れの映画なのかも、、、と一応期待して観続けた(笑)

 

みんな誰もが抱えている、人生における言いようのないモヤモヤしたもの、ほっといてくれと言いたくなるような人々の無責任な声、そんな日常を生きるどうしようもない孤独感を、タワマンを舞台に描こうとしたのだろうか、はたまた、、、、それは監督の頭の中を覗くほかない。

 

岸井ゆきのは多部ちゃんの同僚で、大森南朋扮する担当作家と不倫の末、妊娠するという役。彼女もよくわからないキャラで、感情移入できず無念。

 

たぶん、、だが、、、、

よくわからない役を与えられた実力派の役者たちが、思い思いに「こうだろう」と自分なりの演技で乗り切った作品、ということなのだろう。

それが破綻した映画の中でも唯一の救いだったと思われる。

役者も三流だったら、とても最後まで観られなかっただろう。。。