荒木飛呂彦は昔から好きな作家さんだが、最近の作品はあまり読めていない。
なにせ、MATTが好きだったのは「魔少年ビーティ」の時代だから、、、古・・・
もちろん、ジョジョシリーズも多少読んではいるもののすべて知ってるわけではない。
なので岸部露伴というキャラについてもそれほど・・・。
NHKのドラマで観てから岸部露伴シリーズの世界観のファンとなった。
ただ、1~6話までは観たのだが、7~8話がアンブロックにupされずじまい。
古川琴音が出ている7話はぜひ観たいのだが、、、
映画版を見て、飯豊まりえの泉京香がとてもハマって来たなと感じる。
ドラマ版の最初の頃の印象はなんとなく浮いた感じがしていたのだけど、映画を観て彼女が泉京香という役にしっかりと入りこめて来たと思う。なかなかよい。
高橋一生との息も合ってきており、まだ原作シリーズが続くのなら映像化も期待したい。
「この世で最も黒く、最も邪悪な絵」の存在を探すことから物語が始まる。
このおどろおどろしい、不気味な存在を追っていくうちに過去の記憶が呼び出されて、それは岸部露伴の学生時代へと遡る。
祖母の家が旅館を畳んで下宿屋となり、そこに住み込む露伴の前に現れた謎の美女・奈々瀬に木村文乃。
この文乃ちゃん演じる奈々瀬は、そこはかとない憂いをたたえていて、若き日の露伴少年(長尾謙杜)を虜にしてしまったのも無理はない。
木村文乃の浴衣姿がまた色気あってとてもよい。
下宿に年上の色気ある女性がいる、という設定も文学的で〇。
木村文乃は、これからこういう役をもっとやってもらいたい。
物語りはミステリーと怨念が絡まり、ルーブル美術館にたどり着いてから急展開を迎えるが、この映画、ストーリー展開よりも映像・カメラの美しさが印象深い。
特にお気に入りは終盤、露伴が見つけた奈々瀬の墓の前で彼女の霊に再会するシーン。
森の中に佇む二人を長玉(望遠レンズ)で抜いたショットは、背景の木々の緑が絵画のようにボケて、とても美しかった。
絵画を題材にした物語なので、絵作りにも作り手のこだわりが感じられ良かった。
ヘブンズドアーで奈々瀬の人生を読む回想シーンでの、山村仁左衛門(高橋一生)、奈々瀬の悲しい物語では時代劇が展開される。ここでの高橋一生の立ち回りはキレがあってよい。
彼の時代劇をまた見てみたい。もちろん、木村文乃も。
岸部露伴シリーズ、長く続いてほしい作品になりそうだ。