ドラマ版を観てから少し時間が経ってしまったが、登場人物の熱量を忘れないうちに観ておかないと、と思って今日鑑賞。
さすがに映画なのでドラマ版をはるかに超える熱量に、やや胸やけ。
池松壮亮と蒼井優の、お互いの役者魂を賭けた演技は壮絶そのもの
そこに加えて一ノ瀬ワタル演じる馬淵拓磨が、二人の激情を更に燃え上がらせる存在となっている。
この映画は、この3人の文字通り体を張った演技で成り立っていると言いたい。
過激なセックスシーンや、それこそ見ていて「もうやめて、、、、」と目を背けたくなるような暴行シーンのオンパレードなので、そういうのが苦手な人は見ないほうがよいだろう。
更に、全編通してほとんど池松・蒼井の二人がシャウトしまくるので、こちらも合わない人には合わないかと。
だからドラマ版を観てきて、池松壮亮演じる宮本浩の生きざまに共感を覚え、彼の不器用でほんとに馬鹿な生き方を優しく見守ることが出来る人だけが、この映画を観ればいいと思う。
今回この映画を観て、役者っていうのは共演者同士、またはスタッフとのお互いの信頼関係があって初めてよい作品が作れるのかなあ、とあらためて感じた。
池松壮亮と蒼井優の二人は、それこそもう役を演じているのではなく、宮本浩と中野靖子そのものになっていた。
その点で映画、ドラマ好きにはたまらん映画だった。
まさにこの映画の見どころは、そこに尽きるからだ。
一ノ瀬ワタルは今回同様「サンクチュアリ」でも見せた、役を作るためなら命縮めてもいいくらいの覚悟が素晴らしい。
一ノ瀬ワタル。その存在そのものが「演技」となる、数少ない役者の一人と思う。
井浦新は、それこそクソ男の役で出ていたが、この人のふり幅も大したもの。
ドラマ版メンバーに加え、今回はピエール瀧、佐藤二郎といった濃い役者も脇を固めている。
蛍雪次郎、安藤聖、梅沢昌代、左時枝などに加え、なんと小野花梨が中野靖子の妹役で出演。ちょい役だがすぐわかってしまうあたり、推しを自認するだけある 笑
最後にもう一度。池松壮亮はすごい役者だと思うが、蒼井優もかなり半端ない。
この映画は二人の役者を見るために存在している、と思う。