テレ東「ドラマプレミア23」にて放送。
この冬のドラマでは、一番の出来だと思う。さすがテレ東、だ。
仁村紗和の民放連ドラ初主演、そして推しの芋生悠と片山友希が出ていたら、見ないわけにはいかない。
好きな女優さん3人が出ているだけで見たが、ドラマ自体も秀逸で心にグサッと突き刺さる感じは、久しぶり。
一流とは言えない大学に通う4人の今どきの女子大生が主人公。
由希(仁村紗和)、恵(莉子)、しおり(片山友希)、紗奈(渡邉美穂)は仲良しグループで、決して綺麗とは言えない寮で生活を共にしている。
常に経済的に困窮している4人は、パパ活に手を染めたり、怪しいマルチ商法にひっかかりそうになったりと、トラブルに巻き込まれながらも助け合いながら懸命に生きる。
そんな中、恵が一流大学のサークルを主催する悠馬(一ノ瀬楓)にレイプされ、妊娠してしまうという事件が起きる。
そして、その事件をきっかけに、悠馬と由希たち4人の戦いが始まる。。。。
恵を妊娠させた事実を認めない悠馬に復讐するため、彼のサークルの運営費である100万円を盗んで、由希のパパ活動画をネットから削除するための弁護士費用に使うという犯罪に手を染めてしまう4人。
結局、ある事件をきっかけに警察に連行されてしまうのだが、盗まれた悠馬が告訴を取り下げたため不問に付される。
全8話の中に、様々な事件や駆け引きがちりばめられ、毎回ドキドキしながら観ていた。
役者さんたちの迫真の演技、脚本、そして凝ったカメラ・映像が素晴らしい。
今どきの女子大生の貧困の現実(「東京貧困女子」でも描かれていた)、声をあげられず苦しむ性暴力被害者たち、ネットで面白おかしく拡散されてしまうデジタルタトゥーなどが描かれている。どれも日常に起こりうる紛れもない現実であり、リアルだ。
物語りの終盤、悠馬と全面対決に臨む4人と悠馬の元カノの彩(芋生悠)、サークルの友人の伊月(野村康太)だったが、恵の「自分は彼を懲らしめたいのではない、自分のやったことをわかってほしいんだ」という告白を聞き、由希は方針を変更する。
そして由希と彩はサークルのパーティ会場に乗り込んでいく。。。
最終回、クライマックスは清々しく、それでいて心震えるものだった。
全てが終わり5人は彩の運転する車に乗り、海へ。
5人の女の子たちの屈託ない笑顔は、それまでの苦しみや悲しみが消え美しく輝いていた。
仁村紗和、芋生悠、片山友希の3人の実力派女優に加え、最近様々なドラマで活躍している莉子、そしてアイドル出身ながら光るものを持っている渡邉美穂の2人も良い演技だった。
特に莉子は、「早朝始発の殺風景」で注目したが、あの頃よりも演技は上手くなっている。
今の日本が抱える格差社会、根強く残る男尊女卑の文化、見てみぬふりをし傍観者として人の不幸を喜ぶ歪んだ精神。。。
様々な不幸が渦巻く中、それでもそんな世の中と戦おうとした勇気ある若者たち。
そんな熱いドラマだった。
芋生悠。ますます大人っぽくなった彼女。
このドラマでは裕福な令嬢役。早く彼女の主演作を観てみたい。