ゲイであることを公表している浅原ナオトの小説が原作。

NHKの「よるドラ」で2019年4月にドラマ化され、金子大地主演、そして推しの藤野涼子が共演ということもあり観てみた。

 

藤野涼子は当時19歳。

彼女は清原果耶や、広瀬すずら天才肌の女優さんとは違うタイプの才能豊かな女優さんだ。完成されていない、これからどんな女優さんに成長していくのか楽しみな粗削りな魅力を持っている。15歳でデビューしいきなり主役を張った「ソロモンの偽証」は必見だ。

このドラマでも、大勢の前で演説する彼女の生きの良さが楽しめる。

また、金子大地との初体験シーンもあるが際どいこともやっており、女優魂を感じる。

 

現在「グレート・ギフト」に出演中。

このドラマ、小野花梨も出ており二人の才能豊かな若手女優の演技は必見。

もっと彼女の実力を評価して、映画、ドラマの主役に抜擢してほしい。

 

藤野涼子目当てで見たドラマだったが、そこはさすが数々の挑戦的な作品を生んでいるNHK「よるドラ」、心に残る一品となった。

原作が面白いのだろうと思うけど、金子大地、藤野涼子に加え、小越勇輝、内藤秀一郎といった俳優さんたちの熱のこもった好演で、LGBTQテーマを深く考えることのできる内容になっている。

 

最近は昔と比べ世界的にも性的マイノリティへの理解が高まっているとはいえ、金子大地演じる主人公の安藤純の抱える苦悩と絶望的な孤独は、今でも彼ら・彼女らにとって深刻だ。

 

「世界を簡単にしようとする」ことで、実は複雑な「人間」という存在から目を背ける。自分が理解できないものはありえない、認めない、と心を閉ざすことで真実が見えなくなる。

 

劇中で藤野涼子演じる三浦紗枝は、そんな周囲の人たち(それは純と出会った当時の自分に対してでもあったのだが)へ、2学期の終業式の式場で秘めた想いをぶちまける。

その熱く確かな演技はあの「ソロモンの偽証」の疑似裁判のシーンを髣髴とさせる素晴らしい演技だった。

久しぶりに涙腺崩壊してしまうほど。

 

原作者が小説の各話に同じく性的マイノリティだったQUEENの楽曲のタイトルをつけている。フレディ・マーキュリーファンのMATTとしては、うれしい限り。

純のモデルは同じく苦悩を抱え孤独だったフレディなのだろうか。

そういえば、この小説・ドラマができた同時期にあの名作「ボヘミアン・ラプソディ」が公開され大ヒットした。劇場まで足を運んで観た数少ない映画の一つ。感動が蘇った。。。。

 

いかん、このドラマ書きたいことがありすぎて脱線してしまう。

 

性的志向である以上、すべての人がLBGTQに対して完璧に理解するよう求めるのは不可能だ。だからこそ「世界を簡単に」して、差別したり拒絶することだけはやめたい。

あなたと私は違うんだね、でも人を愛する、好きになるという点では何にも変わらないんだよ、というスタンスを誰もが持てれば、この世界が誰にとっても生きやすくなるはずだ。

 

このドラマではその距離感をどうとるか、それをゲイの純を好きになってしまった腐女子の紗枝の視点、ゲイでありながら性的マジョリティと同じように生きたいと願い、女の子と付き合ってみた純の視点から描いていく。(最終的には純にとって紗枝は、男を好きになるのとは違う「好き」で大切な存在になっていく)

永遠に相いれない二人の存在が切なく悲しいのだが、それを乗り越えて二人の間に本当の愛が芽生えるというラストがとても素敵だ。

 

純の恋人で、ゲイであることを隠しながら結婚し子供まで作っている佐々木誠役に谷原章介。自分のことを「卑怯なコウモリ」と呼ぶ彼もまた、苦悩を抱えて生きている。

安藤玉恵が純の母親役。母親としての優しさからくる彼女の何気ない一言が、純を苦しめ孤独にしていく。ラストで自分の息子のことをもっと理解しないと、と優しく微笑む姿が印象的だった。この2人の存在もこのドラマでは重要だ。

 

また、カフェバーを営むレズビアン・ケイト役のサラ・オレインがちょい役ながら魅力的。自分の経験から「逃げてもいいけど、自分からは逃げられないよ」と彼にアドバイスを贈る。

 

サラ・オレイン。美しい。。。。素敵。とても多才な方です。

 

同じ原作が映画でも作られている。

こちらは神尾風樹と山田杏奈が共演。

共に好きな俳優さんなので、どんなテイストになっているか楽しみ。

この後見比べてみる。

 

恒例の共演美女を探せのコーナー。

 

今宮麻衣役の吉田まどか。

 

伝統の東宝シンデレラ第7回オーディションのファイナリストで、かつては東宝芸能所属も現在は退所。ここ数年出演作無しなので、もう引退・・・?残念です。