NHKの「よるどら」枠のドラマということで期待して観たのだけど、ちょっと思っていたのと違っていた。
というか、テーマは理解できるし興味深いのだけど、その世界観にのめりこむことができなかったのが失望感につながっている。
全8話のうち1~3話までと4話以降でまったく違うドラマになっている。
そして、前半部分のドラマで描かれた世界が、4話にもつながっているのだけど、そのつながり方がわかりづらいというか、メッセージ性を読み取るのが難しかった。
3話までは仮想の劇中劇として描かれている。
吉田羊演じる橋本恵理と平原テツ演じる橋本宏之の夫婦の、すれ違いの夫婦生活を軸に物語は展開。
宏之はある日、妻がどんどん若返っていくことに気づく。しかし恵理本人や周囲の人間にはその変化が見えず、夫の宏之だけが混乱していく、というストーリー。
この時40代の恵理(吉田羊)から、30代(蓮佛美沙子)、20代(小野花梨)へと変化していくのだが、蓮佛美紗子、小野花梨の演技が素晴らしい。
この3人の演技派女優のリレーを見るだけでも、このドラマは価値があった。
ちなみに徳永えり、村川絵梨(えりだらけ。。。笑)もちょい役で出てきて、好きな女優さんオンパレード。
蓮佛美紗子。
独特の色気と、確かな演技が魅力の女優さん。
ブレーク真っ盛りの小野花梨。
当時弱冠21歳。実力派俳優陣に交じっても、見劣りしない演技力はさすが。
この前半部分のドラマが続くのかと思いきや、実はこれは啓発映画で、世の中の大半の人が好きな顔(ドラマでは男は稲垣吾郎、女は加藤ローザの顔)に整形してしまい、同じ顔の人があふれているという仮想世界の物語りに移行していく。
啓発映画は、4話以降の舞台である高校の授業で生徒たちに見せられ、それを見ている5人の高校生たちがドラマの主人公となる。
ここでの高校生たちの恋愛模様、自意識との葛藤、容姿へのコンプレックスが物語の軸となっていくのだが、それらと前半部のつながりをどう読むか、という点でちょっと入り込めなかった感がある。
こんなことを言ってしまったら、元も子もないのだがMATT個人の感想としては3話までの夫婦の話を掘り下げてドラマにしてもらいたかった。
作品としては悪いものではなかったけど、好みの問題。
NHKらしく、いい役者を揃えて臨んだのに、ちょっと残念。
その他俳優陣は、見上愛、橋本淳、岡本夏美、村川絵梨、須賀健太、山中崇など。
それにしても、このストーリーで吉田羊 主演 とクレジットされているのが謎だ。。。