バカリズム脚本の新作でお正月に放送された。

 

見終わっての感想は、同じサスペンス・コメディであれば断然「殺意の道程」の方が面白かった。こちらは井浦新のとぼけ具合と、バカリズムの軽妙なトークがいい塩梅に混ざり合い、くすっと笑えるシーンが満載。

 

「殺意の道程」は全7話だったが、今回のドラマは1時間半の一話完結。

短い中にもバカリズムらしい伏線が色々張られていて、まとまりはあった。

 

菊地凛子のコメディは初めて見たがさすがの貫禄で、彼女のキャラは立ちまくり。

おかげで平岩紙や吉田羊がややかすんでしまった感がある。

スッピンメイクでぼさぼさの髪、全然美人に見えない(失礼)あたり、女優魂を感じる。

 

池松壮壱の情けない役は、なかなか見れないのでお得感を感じる。

また角田晃広が終盤にみんなから、「キモイ」と責め続けられるのもバカリズムらしい演出。

白石麻衣の役はまさにはまり役。いい感じで嫌みなセレブ感が出ており好感持てた。

 

長くほとんど意味のないように聞こえるセリフはバカリズム脚本の特徴だが、それらの会話にその後の展開のヒントがいっぱい隠されているので気を抜けない。

 

ドタバタ劇があった後に、収まるところに収まったラストシーン。

今回の事件を通じて友達になった、元・孤独な3人が幸せそうに食卓を囲むシーンで終わる。金よりも名誉よりも、友情、人のつながり、というメッセージがバカリズムドラマにはあると思う。ホッコリする。