Season2では谷原章介演じる鏑木刑事が主人公となり、玉山鉄二演じる武藤はサブキャラに。
この続編でドラマが描きたかった世界観が輪郭を露わにする。
それは犯罪被害者の遺族の苦しみは、どうしても消えない、という過酷な事実。
そしてそれを乗り越えるためには加害者に法的裁き以外の報いを、という現実だ。
しかし後者は被害者遺族自らが手を下すわけにはいかない。
そして、また万が一実行できたとしても、その先にあるのは苦しみからの解放ではなく、加害者と同じ人間に成り下がってしまうという、新たな苦しみの始まりだ。
ドラマでは板尾創路と木村多江姉さん(と敢えて呼ぶ)が主催する「犯罪被害者の会」が、実は鏑木刑事に依頼して、加害者に復讐をしているという設定。
こんな設定、実際の被害者の会が許さないだろう、と思っていたが、ストーリーが進むにつれそんな心配は不要に。
私刑を行ったものにはその報いがあり、私刑に手を染めたものは皆非業の死を遂げるか、社会的に制裁を受けることになることでバランスをとっているからだ。
Season1ではその存在が悪なのか正義なのかわからなかった環は、悪でも正義でもなかった。かれは自らの信じる「犯罪者のいない世界」を実現することにしか関心がない。
そこには悪や正義という概念は存在せず、ただただ、犯罪を憎む感情のみがある。
ある意味、人間社会のひずみが生んだ怪物なのだろうか。
被害者遺族の苦しみ、悲しみはどうしても消えない。それは永遠に続く地獄のようなものだ。
それをなくすためには犯罪者を根絶する、という環の考えはあながち間違っていないのかもしれない。
出演者は、野間口徹、阿南健治、手塚理美、石黒賢といったバイプレイヤー、ベテラン俳優がストーリーを引き締める。
少年法、被害者の救済、刑法の在り方など様々な問題が詰まったSeason2は、社会派ドラマとしても楽しめる一品だった