30分のお話が6話なので、あっという間に終わってしまう。

 

主演は趣里、三浦貴大。

 

趣里はずっと昔から好きな女優さんだ。

また別途書いてみたいが、独特の雰囲気を持つ彼女は日本のドラマ・映画界において貴重な存在だ。綺麗とか可愛いとかが女優さんの評価基準になっていてはいけない、と思う。

女優さんは、「何かを演じることができる人」なのだ。

「何か」は、「何でも」なのかもしれない。

趣里は、その点で紛れもなく一流の女優だ。

 

三浦貴大も昨今のドラマ界では貴重な存在。

三浦友和という大俳優を父に持っているが、正直シュッとした男前ではない。

しかし、最近とみに父親に似て来たと思う。そして、男臭いいい俳優になってきた。

シュッとした俳優の多い中、こちらも貴重な存在だ。

 

東洋経済オンラインの人気連載が原作。

経済大国・日本だが、女性が一人で働いてまともな生活ができない、なんて狂っている。

そんな国、先進国でほかにどれだけあるだろうか。

少なくとも、ここアメリカでも同様のことはあるのかもしれないが、それでも女性の働き口はたくさんあるし、給料だって男女で差をつけられないので、きちんと働けば確かな収入を得ることができる。

 

そんな状況が様々な報道や記事などと通じ、最近周知されるようになってきた。

だからだろうか、ひとつひとつのエピソードがリアルなので、各話の女優さんの演技も熱が入る。

 

霧島れいか、宮澤エマ、田辺桃子、東風万智子、安斉星来、高田夏帆。

それぞれが抱える貧困は、年齢、境遇などで様々だが、男性でも貧困に陥るこの国において、女性ならなおさら、もっと酷い状況が目の前にある。

各女優さんが、貧困にあえぐ女性のために女優魂をかけたような、熱い演技を見せてくれるので、そこもこのドラマの見どころかも。

 

特に最近大活躍のカメレオン女優、宮澤エマのエピソードは過酷だった。

それだけ宮澤エマは迫真の演技だった。すごい。

ちなみに唯一、彼女だけ最終話で連絡が取れなくなっている、と描かれた、、、、

 

そのほか、趣里の母親役に高橋ひとみ、友人役に金澤美穂(最近、ほんとバイプレイヤーぶりが目立つ)、樋井明日香など。

淵上泰史くんが、渋い役で輝きを放っている。彼、最近更にいい男になったと思う。

 

趣里演じる雁屋摩子は雑誌編集者をしながら一人娘を育てるバツイチ女性。

生活は苦しいが、崎田(三浦貴大)と一緒に取材を始めた貧困女性との対話を続けるうち、自分も貧困に陥っていることに気づく。

だが、彼女はたとえ貧困生活にあえぐことになっても、離婚したことを後悔しない。

 

だが、彼女のように独りで生きていく強さを持ち合わせている女性ばかりではない。

だからこそ、社会や国の制度が、弱い人たちを救う機能を持ち合わせないといけないのだ。