過去に何度も映画や舞台にもなっている、こうの史代原作の漫画がベースだ。

 

今年の年末は昨年みたいに泣くドラマが無いなあ、と思っていたら迂闊だった。

こうの史代といえば「この世界の片隅に」。

その作品の前に書かれた本作品、途中の川栄李奈のシーンでボロボロ泣かされてしまった。

 

福知山時代、帰任の年の夏に広島旅行に行こうとしていた。

だが、2018年夏の西日本豪雨でそれも叶わず。

広島には20年以上前に出張で一度行ったきりで、観光では行ったことが無い。

日本人である以上、原爆ドームや記念館、広島の町中の様々な場所に行き、原爆のことを知っておかないと、日本人としてダメな気がずっとしている。いつかは行かないとと思っている。

 

昨今、元気がなく未来が見えない日本を疎んじて、日本脱出とかいう風潮があると聞く。

若い人に多いだろうが、それも今の日本の現状を見ると仕方ないことなのかもしれない。

だけど、かつて戦争に負けて多くの尊い犠牲を払い、この国を復興させた先人たちのことを考えると、そう易々と自分の国を捨てることができようか。

MATTはいつもそう思っている。

だから、こうの史代の漫画を見ると、涙無しでは見られない。

漫画も買ってみようかな。

 

ドラマは1時間半、途中の川栄李奈のシーンでなんか見たことあるな、、、と思った。

確かに以前観たことある。このドラマの川栄李奈を見て、彼女の役者としての実力に気づいたのだ。

 

主人公の七波に常盤貴子。相変わらず綺麗だ。

姪っ子に平祐奈。彼女、畑芽育に似ていると最近気づく。横顔がきれいなところも。

 

橋爪功にキムラ緑子、佐川満男、浅利陽介と演技巧者が続く。

工藤阿須加は昭和ドラマも行ける。谷原章介はちょい役。

 

川栄李奈は昭和のドラマにおいては安定の存在感。

彼女の女優としてのセンスの良さにはいつも感心させられる。

彼女演じる皆実が死を迎えるシーンでもらい泣き。

しっかり泣かせる演技ができるのが、彼女が女優として素晴らしい証拠だ。

 

駆け出しのころの小芝風花も出ていた。

冒頭でいきなり遺影だったので驚いたが、中盤に京花役でしっかりといい演技を見せていて安心。その京花の子供の頃を演じていたのが根本真陽。同じNHKの「ゾンビが来たから・・・」「透明なゆりかご」や「エルピス」などでなかなかの名演。

あか抜けないところも含め、このころの小芝風花は可愛い。

 

時が経つにつれ、だんだんと戦争体験を語れる人がいなくなっていく。

だからこそ、こういったドラマや映画、漫画、小説、演劇で後世に戦争がどれだけ無意味なものかを伝えていく必要がある。

それができる国は日本含め、そう多くはない。

少なくともこのアメリカでは、国全体、国民にそんな風潮はない。

 

そんなアメリカでこんなドラマをみて涙しているMATT。

不条理を感じずにはいられない。