黒島結菜という女優さんを知ったのは、2014年「アオイホノオ」でのこと。

柳楽優弥の表現力、個性に圧倒された一方で、彼女のキュートさにくぎ付けになったのを覚えている(山本美月もかわいかったけど。。。)。

その後「マッサン」「ストロボ・エッジ」で見かけて、また大人になった彼女を発見。

最近時は朝ドラヒロインを務めるまでにメジャーに。

 

このドラマは矢島弘一(「コウノドリ」「八月は夜のバッティングセンターで。」など)のオリジナル脚本で、東日本大震災と照明が物語の主役。

 

黒島結菜は照明オタクの女の子を演じているが、強い目力は健在でより一層綺麗になっていた。特に暖かい照明に照らされる彼女の横顔が美しい。

 

共演は古舘寛治で、適度に枯れた感じのオジサンを演じたらこの人、ということでナイスキャスティング。ほんのちょっと老いらくの恋よろしく、黒島演じるハルカに気があるそぶりを見せるのもいい。

 

25分X5回で観やすく、それぞれのゲストもNHKらしく手堅いキャスティング。

1話の寿司屋の大将役のイッセー尾形、2話の塩見三省/渡辺大知の年の差同性カップルの話、3話のボクサー・駿河太郎、内田慈、4話では古舘演じる西谷の元妻の緒方たまき、最終話の甲本雅裕、山下容莉枝など。

 

それぞれのエピソードがペーソスに彩られ、個性的な照明たちと絡み合い、ほろっと来る作りになっている。

 

音楽も作り手のこだわりが見られる。

3話はボクシング映画不朽の名作「レイジング・ブル」よろしくモノクロトーンで始まり、BGMは映画でもテーマ曲だった「カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」。

また最終話、ハルカと母親が港で語り合うシーンのBGMは「ディア・ハンター」の名曲、ジョン・ウィリアムスのギターで「カヴァティーナ」だ。

特に「カヴァティーナ」は好きな曲で、家族の愛を確かめ合うシーンということで選曲されたのだろう。

 

照明は実はもともと好きでこだわりたいと思っていたので、今回のドラマはとても興味深く観ることができた。やはり北欧がデザインの主流だということも再認識したし、日本に帰国したら家の照明にも少し手を入れてみたいと思った。

 

黒島結菜はまだまだ良い女優になる余地を持っている。

こういったいい役者に囲まれ、良質のドラマに出演することでもっと彼女の個性を高める機会があると思う。

 

最後に、番組に関連した記事があったので、リンク貼り付け。。。。

吉岡徳仁氏デザインの「トーフ」と、「PHランプ」が良かった。

 

「灯りが象徴するささやかな幸せに重み」  Eテレ名作照明ドラマ「ハルカの光」 照明監修の萩原健太郎さんに聞く – 美術展ナビ (artexhibition.jp)