鈴木京香が体調不良で主役を降り、代役で出演した若村麻由美だったが、最近の彼女、とても良い。若い頃はなんとなくあか抜けない感じだったが(失礼・・・)、五十路を超えて美しいだけでなく幅広い役をこなす、よい女優さんだ。
鈴木京香だったら、またどんなドラマになっていたかという興味はあるものの、若村麻由美で良かったと思う。
ストーリーは、ごくごく普通の主婦がひょんなことから有名女優の替え玉となって、奇想天外な体験をしていく、、、、と言ったもので目新しさは無いものの、脚本と演出のうまさ、粒ぞろいの役者で極上のコメディへと昇華させた。
まずもって主人公である妙子と、女優・若菜絹代の二役を演じる若村麻由美である。
平凡な主婦と大女優を見事に演じ分けるそのスキルは、さすがベテラン女優。
表情の切り替わり、セリフ回し、随所にテクニックがちりばめられている。
正直MATTの中ではNHKの朝ドラヒロイン、で止まったままだったが、最近は「初恋、ざらり」などでも存在感を増している。
圧巻は最終話、絹代のふりをしてTVの前で演説を繰り広げるくだり。
若村麻由美の女優魂を感じる、心に残るシーンである。
物語序盤から中ダレすることなく、また登場人物が多いわりに混乱もなくスムーズに物語の展開が頭に入ってくるのは、脚本・演出が優れているからだろう。
また役者陣も個性派を揃えており、見ごたえがある。
沢村一樹、木村佳乃、佐戸井けん太、西村まさ彦、菅原大吉、桜木健一といったベテラン俳優陣、堺正章演じる業界のドンの凄み、絹代の元恋人役の椎名桔平の哀愁漂う演技。
どれも素晴らしい配役。
また、西條隼人役の時任勇気はあの時任三郎の息子だ。
そして妙子の夫役のマキタスポーツが巧さを見せる。
これほど、どこにでもいそうなオヤジを演じることが上手な俳優はそうそういない。
嫌みな部分と共感できる部分を内包した人間臭い人物を演じさせたら天下一品。
ドラマの中では、妙子との夫婦喧嘩やちょっとしたやり取りが、とてもいい。
夫婦あるあるがそこにあり、見ていてくすっと笑えるシーンが多数だ。
それからこのドラマ、なかなかの美形女優を揃えていて、目の保養になった。
劇中では性同一障害の男性・育田詩乃を演じる平祐奈。
お姉さん・愛梨のような美人というよりキュート。でも姉同様に目力強し。
「ゴシップ」で黒木華の昔のともだち役が印象的だった、永瀬莉子。
「ゴシップ」では茶髪でヤンキーな女の子。
20代の頃の倉科カナにちょっと似ているかも。
櫻井佳音役の、葉月ひとみ。
出番は少なかったが、個人的に好きなタイプの顔です。
全員20代前半でこれからが楽しみな若手女優さん。
女優がこれだけ可愛いと見ているだけで楽しいのだが、今回のドラマの注目女優は彼女たちではなく、この人である。
円井わん。
今回のドラマでの彼女の存在感は素晴らしかった。
室井セシルという、独特な女性を印象深く演じていて、この人は今後色々なドラマ・映画で自分のポジションを作っていくんだろうなあ、と感じた。
放映中の話題作「セクシー田中さん」でも、めるるの友人役で出ている。
個性派女優として、今後活躍するであろう彼女、楽しみだ。