4年前、2019年の作品だが、池田エライザも神尾風珠も若く感じる。

 

少年ジャンプ+に連載していたということで、若者向けの漫画としては意義ある作品だと思う。

この世に生まれてきた以上、誰しも何かになりたいと思うしその夢に向かってもがき苦しむことこそ美しいと思う。

 

もともとこのドラマ枠の「ドラマイムズ」(MBS)は意欲的な作品が多い。

「ルームロンダリング」「荒ぶる季節の乙女どもよ。」「ガールガンレディ」「伊藤くんAtoE」などなど。

クリエイターが主人公のドラマとあって、映像やカットが美しい。

 

神尾風珠は若手イケメンの中では実力派だ。しばらくあまり目立った活躍がなかったけど、今放映中の「いちばんすきな花」では、同じくクリエイティブな仕事をしている繊細な若者を好演。

 

池田エライザはやはりかっこいい。この作品でも天才画家を演じていて、登場シーンは多くないものの、内省的なキャラを演じたらこの人は存在感がある。

 

池田エライザ。かっこいい女優No1。

 

ストーリーは過去と現在が交錯しながら進んでいくつくりで、あの時の感情が今ではこう感じる、など神尾演じる主人公の朝倉光一の成長譚でもある。

 

若いうちは誰しもが自分の中の秘めた才能や未知なる可能性を信じている。

それはその人物個人の内においては絶対だ。

だが人間である以上、社会や他者との関わりを無視しては生きていけない。

そしてその関わり合いの中で、人は自分の本当の実力を認識し受け入れざるを得なくなる。

 

天才は生まれ持ったものではあるが、努力なくして天才にはなれない。

だが、天才はやはり天才で、凡才とは圧倒的な才能を持った異質なものであるというのもまた真理だ。

 

何者かになろうと必死に抗い生きる光一だが、たびたびその非情な現実をつきつけられる。

挫折を繰り返す光一を救ったのは、若き日に出会い、その才能に嫉妬し憧れたエレン(池田エライザ)だった。

そして孤高の天才・エレンもまた不器用に、でも必死にもがき生きる「凡才」・光一に救われた一人だった。

生きる道も才能の程度もまったく異なる二人。間違っても交錯することのない二人の人生だったはずが、違うからこそ互いの生きる光になり得た。

 

ラストシーンでエレンが光一に、諦めてもいい、けれど何かやれることがあるなら最後までやってみろと言うシーンがある。

多くの人は人はいつかは夢を諦めないといけない。

それは天才も凡才も同じだ。

しかし、諦めるまでに自分ができることをやりきったか。それこそが生きる意味であり、やるべきことだ。それだけが天才と凡才の間に等しく存在する。

 

この二人の生きざまを軸に、アーティスティックな世界に生きる人たちが、現実社会(ここでは会社、になるが)の「大人の論理」に行く手を阻まれ翻弄される様も描かれる。

それはそれで、社会にこれから出ていく若者たちにとっては、現実社会の予習になり得るのかもしれない。

 

エレンとともに天才モデルとして登場する岸あかりに八木アリサ。「まどろみマーメイド」でキュートなフレアバーテンダーを演じていた。

 

園宮製薬の令嬢であり宣伝部長を演じるのは久保田紗友。彼女はこういう役が多いので、汚れ役とかもやってもらいたい。

 

その他クリエイターの職場ということで、石崎ひゅーいや、板橋俊谷といったアーティストたちも配されているのは、演技がどうとかいうよりドラマには効果的だったと思う。

 

脇を固めるのは松本まりか、阪田マサノブや堀部圭亮、おかやまはじめ、杉村蝉之介。そのうち丸山智己になぜわざわざ変な関西弁を話させるのか(原作が関西人?)。パワハラ系は関西弁、という関西人差別はやめてほしい、、、笑

 

ちなみにエレンの死んだ父親役は、ブレイク前の岡部たかし。本当にいろんなところにちょくちょく出てたのね。

 

神尾風珠主演、そしてエライザ目当てで観たドラマだったけど、意外に心にぐっとくるドラマだった。ただ、アンブロックのいつもの不具合で、4話が再生不能になっていたので観られず無念。。。。。

 

今回の共演美女を探せのコーナーは今泉佑唯ちゃん。キュートです。