星の数ほどあるドラマの中から、掘り出し物を見つける喜びはなにものにも代えがたい。
昨年の長澤まさみ主演の話題作「エルピス」で被害者の姉の役でちょこっと出ていた、木竜麻生という女優さんにとても惹かれた。
うるんだきれいな瞳と、意志の強そうな口元。
よい雰囲気を持った女優さんだな、、、と思って注目していたが、その彼女が4年前の25歳の時に主演。
女性バーテンダーが主役のドラマ。
原作はイラストレーターの作者による漫画で、こちらも絵がとてもきれい。
(原作の月川雪は、かなりの美女のよう)
何やら過去に問題を抱えている訳ありの主人公・月川雪を木竜麻生、その友人で彼女をバーテンダーの道に誘った伊吹騎帆を玄理、もう一人、フレアバーテンダーの陽乃崎日代子を八木アリサが演じる。
三人の美女が同居(大家の留守中にペットのウリボーを世話するのが条件で家を借りている)しながら、それぞれバーテンダーとして生活しているのだが、月川雪だけ屋台でカクテルを出す、という設定。
この屋台での雪と、色々と問題を抱えたお客とのエピソードが独創的なカクテルとともに紹介されるというストーリー。
ゲストもなかなかいい役者をそろえている。
アルコール全般に詳しい商社マンの相島一之、元アイドルの忍成修吾、騎帆の後輩に中村ゆりか、謎の女性(実は漫画家)に余貴美子、その編集担当に岩井堂聖子(妖怪大戦争!)、シングルマザーに田畑智子、占い師にサヘル・ローズ、そしてまだブレーク前だった小野花梨が印象的な役で登場している。
カクテルってだいたいメジャーな種類くらいはなんとなく覚えていたのだが、ドラマの中ではそのカクテルの歴史、特徴、飲み方などを丁寧に描かれており、雪のカクテルに対する熱い想いとともに、カクテルへの愛情が伝わってくる。
カクテルとゲストとの関わりにドラマがあり、それぞれのストーリーに感動するのだが、何を持っても雪を演じる木竜麻生の、ほんわかした雰囲気がとてもよい。
「まどろみバーメイド」のタイトル通り?客が来ない屋台で、まどろんでしまう雪がとても可愛らしかったりする。
木竜麻生は世界的に著名なトップバーテンダーに、八木アリサはフレアバーテンダーにそれぞれ1か月ついて特訓したという。木竜麻生のシェイカーを振る手つきや、お酒を造る所作はとても美しくこういうバーテンダーさんがいるお店に行きたい。。。。と妄想してしまう。
それにしても、相島一之演じる剣堂は嫌みな奴だが、こと酒に関しては右に出る者がいないくらい詳しく、目利きもよい。そして何より飲み方が粋だ。
こういう大人になりたい、と思っていたが結局なれなかった。
地方都市で車通勤ではあかん。。。。人生やり直すなら仕事帰りにちょっと一杯行ける生活を一度してみたい。
最後は3人の友情と絆が深まり、めでたし、めでたし。。。
このドラマのもう一つの主役であるカクテルのように、彼女たちのキラキラと輝く未来に乾杯。
好きな女優の小野花梨、このドラマの時は弱冠20歳。
持ち前の感情豊かな表現力で、魅力的なキャラを演じていた。
才能はこのころから芽生えていたよう。
最後に、SHE IS SUMMERが歌う主題歌「Bloom in the city」はとても良い曲でドラマにマッチしている(また買ってしまった・・・)