どうしたものか。。。。

 

この春ドラマは若手女優主演作品が目白押しで、6~7作品をとっかえひっかえ見た数カ月だった。そして、そのドラマたちの評価は見事に真っ二つに分かれた。

女優の魅力を最大限に引き出して大成功の作品群と、ええ、、、、とがっかりした作品群。

このunknownは後者の作品だった。

 

高畑充希という今がもっとも旬の実力派女優を主演に据えて、このドラマか、、、

と期待が大きかっただけに実に残念。

 

彼女が最も可愛く見えるドラマは、MATTの中では「にじいろカルテ」だ。

あのドラマの真空は、本当に可愛かった。

そして、このunknownも負けず劣らず、高畑充希の可愛らしさが爆発していた作品だったが、残念ながら見どころはそこだけなのだ。

 

ストーリーと設定は興味深い。

高畑充希、父役の吉田鋼太郎、母役の麻生久美子、弟役の井上祐貴が人知れず大都会で生き抜く吸血鬼という設定。

この突拍子もないSFな設定が、違和感なく受け入れられる脚本はまずまず。

しかしその特異な世界観が、その後に起こるサスペンスフルな展開に上手く絡むことなく、物語がなんとなく淡々と進んでしまう。

 

盛り上がるシーンや事件は多々あったはずだが、どこにおいてもイマイチ盛り上がらない。

主人公が吸血鬼という設定も単なるSFではなく、ダイバーシティをテーマにしているというのがだんだんわかってくるのだが、その掘り下げもやや中途半端になっている。

 

8話で真犯人がわかり、最終話で悲しい事実も明らかになるが、それもどうも入り込んでいけないので、驚きも悲しみも今一つ。

それから、シリアスなシーンが続いたと思ったら急に一転しておちゃらけたムードに変わるのもついて行けなかった。

ドラマの中のこういった遊びごころは「TRICK」が非常に上手かったが。

 

そんな中で唯一の救いは、町田啓太だ。

最近、「女子的生活」や「蛍草」などで彼を見る機会あり、いい役者さんだと思っていたが、このドラマでの加賀美役はよかった。

イケメンなのは理解していたが、思いのほか目が澄んでいて美しい。

こんなに澄んだ目をした役者さんはなかなかいないのではないか。

 

昔、ジャン・ジャック・アノーが撮った「スターリングラード」という映画があった。

第2次大戦のスターリングラードの攻防を、ソ連とドイツ双方の狙撃兵を通して描いた戦争映画だ。この映画の主人公のジュード・ローの目を見て、アノー監督は「暗闇から現れた彼の眼を見た瞬間、主役はジュードしかいないと思った」と語ったという。

町田啓太も、目で選ばれる役がそのうち来るかもしれない。

 

このドラマ、いい役者さんをそろえている。

もう一人の主演に田中圭。

小手伸也、木野花、酒向芳、MEGUMI、そして井浦新。

井浦新は高畑充希と「にじいろカルテ」で共演していた。

ファーストサマー・ウイカはどんどんよくなっていく。

千葉雄大や志尊淳がゲスト出演しているのも憎い。

 

それにしても、高畑充希という女優をもってしたのなら、もう少しいいドラマにしてほしかった。

それが悔やまれてならない。

 

高畑充希がとってもキュートだった。