この春ドラマは若手女優の競演といった趣で、見たいドラマが目白押しだった。
もうすぐフィナーレを迎える各作品、ここにきて良いドラマと、そうでもなかったな。。。というドラマが分かれて来た。
小芝風花主演の本作「波よ聞いてくれ」、奈緒主演「あなたがしてくれなくても」、そして清野菜名、岸井ゆきの、生見愛瑠主演の「日曜の夜ぐらいは・・・」の3作品は見るべきドラマと言えると思う。
小芝風花はこれまで多数のドラマに出演してきた。
「魔女の宅急便」のキキ役のイメージそのままに、清純で無垢な女の子を演じることが多かった。一方で、そんなイメージを払拭できずに、ここ数年はちょっと先が見えなくなってきていた感もある。
「トクサツガガガ」や「妖怪シェアハウス」などの主演作がある一方で、「美食探偵」や「城塚翡翠シリーズ」で準主役をやるなど幅広く活動し、キャリアを重ねてきた結果今作につながったのではないかと思う。
色々なドラマで経験を積んだからこそ、この作品の鼓田ミナレのような全く真逆のイメージの役柄も、無理なく違和感ないまま演じ切ることができたのだろう。
いいキャリアアップをしてきているな、、、と安心した。
それだけ小芝風花は、とても将来期待の女優さんだからだ。
ストーリーはラジオ局が舞台でありながら、ぶっ飛んだキャラのミナレを中心に、毎回様々な趣向を凝らしたストーリーで楽しませてくれる。
これだけキャラがたった主役と、個性的な取り巻きがいるのだから8話で終わるのはもったいない気がする。
ミナレをラジオ業界に誘ったディレクターの麻藤役に北村一輝。
濃い二枚目の彼だからこそ、この胡散臭い役がドはまり。
ミナレのライバル役のベテランパーソナリティに平野綾。高飛車な感じが最高です。
気になる女優さんで書いた原菜乃華は今後期待の若手女優さん。最近演技力がぐんとあがった。彼女と一緒に出ている井頭愛海は、原菜乃華と見た目そっくりなので、見分けつかない。。。笑
小市慢太郎、黒谷友香、中村ゆりか、片寄涼太の共演陣も、弾丸トークとテンポいい展開を壊さない、いい演技。
ミナレの母親役で8話に登場した高島礼子は、さすがの存在感で名演を見せてくれた。
そういえば、最近ラジオを聴かなくなったな、と気づく。
高校生の頃は「ヤンタン(ヤングタウン)」、「オールナイトニッポン」「鶴瓶・新野のぬかるみの世界」などはよく聞いていた。
斉藤由貴が好きだったので「猫の手も借りたい」も毎週聞いていたっけ。。。
大学に入ってからはラジオはほとんど聞かなかったけど、社会人になってからはサントリーが提供していた「アバンティ」とか、山下達郎の「サンデーソングブック」とか聞いていた。
松任谷由実の「サウンドアドベンチャー」は、日曜の夕方にいきなり不倫しているOLの投稿とかあり、この時間にこんな暗い話題を、、、とドン引きしたっけ。
今はラジオをインターネット経由で聞く時代だ。
これだけネットや配信ビジネスが隆盛を極めても、やはりラジオというツールは需要があるのだろうか。映像が無い分、想像力を働かせて耳を澄ませる。。。。
それがラジオの魅力なのだろう。
鼓田ミナレのような魅力的なパーソナリティがいる限り、ラジオが無くなることはないだろう。
ちなみにドラマの中で使われたラジオ局のセットはエフエム栃木で撮影されたそうだ。
宇都宮に小芝風花ちゃん来てたのね。。。。
ミナレは一見ハチャメチャで乱暴な物言いから何も考えていないように捉えられるキャラクターだが、今の閉塞した状況の日本には彼女の生き方こそが一筋の光明かもしれない。
誰かのせいにしたり、誰かに依存したり、誰かが何かをしてくれるのを待つ。。。
そうじゃない、てめえのことはてめえでけりをつけろよ、人に頼ってんじゃねえ!
そんな気持ちよい口上が聞こえてきそうだ。