NHKおそるべし。

まだまだこんな隠れた名作があったとは。。。。

 

そもそもは、今放送中の「波よ聞いてくれ」で主演の小芝風花が、5年前に似たような激しい役をやっていた、と知り見てみることに。

 

このドラマのわずか3カ月後に放映の「半分、青い。」でゲイの男の子役を熱演した志尊淳が、トランスジェンダーの男性役を好演している。

 

中性的できれいな顔立ちの志尊は、劇中本当に女性にしか見えない。

足もきれいで背も高く、街で出会っても男性だとは気づかないだろう。

 

ドラマはたった4話だが、内容が濃く毎回楽しめる。

志尊演じる小川は、体は男性、だが外見は女性、しかし性愛の対象は女性、という非常に難しいタイプ。

トランスジェンダーにも色々なタイプの人がいるので、ひとくくりにできないということがわかった。演技指導には西原さつきという女優さん(元男性)があたっており、ぬかりはない。

 

ひとつひとつのお話に、なるほどなあ、、、とうならされ感動させられる。

特に3話では、ある仕事のために小川は故郷に行かざるを得なくなる。

そこには疎遠になった家族が住んでいるので、できるだけ近づきたくないのだ。

(ちなみにこのドラマの舞台は神戸、ふるさとは香住町。西では蟹で有名な街。福知山時代が懐かしくなった)

 

そこで、小川のことをこころよく思っていない兄と再会し、罵倒される。

だがそんな小川を、父・本田博太郎は優しく迎える。

小川に殴り掛かる兄に向ってはなった父の一言「女に手を上げるな」。

誰もが顔見知りの小さな田舎町だからこそ、小川のような人間に寛容さがない土地柄。そこで子供の幸せを思い、寄り添うことができる父の偉大さ。

多くを語らない父の優しさに、ジーンとさせられるエピソードだった。

 

最終回で小川が後藤につぶやく一言が、MATTには響いた。

「人間って面白い」

そう、男と女だけがいるわけではない。

もっと細分化された世界がそこには広がっている。

だからこそ、多様さを受け入れる心の余裕が必要なのだ。

他者を理解する、という大切さをこのドラマは教えてくれる。

お勧めの一品だ。

 

町田啓太は、このドラマではちょっと情けないコミカルな役を演じている。

でも悪くない。イケメンだがこういう役もどんどんやった方がいい。好感が持てる。

 

ゆいを演じる小芝風花は5年前ということもあり、まだ子供っぽさが残っている。

でも透明感あふれる美少女が、実はドSなきつい女の子、というのはなかなか萌える。

小川が、ゆいのことを可愛い、と思うのもわかる気がする。

MATTもこういう子はとてもタイプ、、、

 

小芝風花。雰囲気はまだ「魔女宅」寄りか。このあと急に大人っぽくなる。

 

本田博太郎とか、羽場裕一とか山村紅葉とか、なかなか癖のある名優をそろえてきて、脇もばっちりでクオリティ高い。

 

レギュラーに玄理、ももクロの玉井詩織。

玄理も5年前ということもあり、ちょっとふっくらして別人のよう。

 

あと、このドラマでうれしい誤算がひとつ。

4話の令嬢役がなんと、土村芳だった。

すっかり見落としていたようだ。

 

超お金持ちの令嬢役、というのは初めて。

でもピタリはまるあたり、なんでもこなす彼女の器用さだろうか。

小川に「PTAか」と言われてしまう、ファッションセンスのダサさも好感 笑

なかなか最近土村芳のドラマが見れないので、また過去のドラマを探してみよう。