Huluオリジナル作品。

 

タイトルの通り、コロナ禍で息をひそめるように暮らさざるを得ない、普通の人たちの普通の日常の中で起こる心の揺れ動くさまを綴ったドラマ。

 

特別な出来事や事件は起こらない。

でも、世界中の人たちが等しく経験したコロナ禍の生活だからこそ、この8話の物語の中の登場人物たちの気持ちに寄り添うことができるのだろう。

 

物語は1話に夏帆と斎藤工、2話に石井杏奈と長澤樹、萩原利久。3話に村上虹郎と安達祐実、横田真悠、4話に蒔田彩珠と光石研。

ここまでは一話完結。

 

夏帆の役になり切る演技力は言うまでもない。刹那的な気持ちで生きて来た夏帆の心に優しく入り込んでくる斎藤工の自然さが素晴らしい。

 

石井杏奈は本当に好きな女優さん。彼女は内省的な表現力が素晴らしく上手い。長澤樹は「両刃の斧」で悲しい運命を背負ってしまう妹役を好演。女子大生と女子中学生。普通なら接点のない二人だが自然と気持ちが通い合う。

 

安達祐実はさすがの存在感。村上虹郎との共演で、光と影を巧みに表現。

本当に世界が変わるほどの恋とは、、、、

 

蒔田彩珠、この娘はどんどん良くなっていく。

光石研、役者になれるとしたらこういう役者になりたいと思う。

互いを思い合う父と娘。娘は大事な人が住む街を少しずつ好きになっていく。

 

5,6話は三浦貴大と瀧内公美の共演。二人の視点が入れ替わるお話。

お互いを認め合うのではなく、お互いをさらけ出し心と心を通わせる。

二人でいることの意味を考えたくなる。

 

7,8話はまた斎藤工と夏帆が登場するが、斎藤工の物語と言ってよい。

長澤樹も彼の合唱部の生徒の一人として再登場。

7話で主人公を張る小川未祐は新人さんで、あまり情報が無い。

これからの女優さんなのだ。

 

7,8話では歌う意味を問い続ける物語。

小川未祐演じる珠美は自分のために歌うことにたどり着き、斎藤工は自らと他者の間にあった大きな隔たりが、河原でみんなと一緒に歌い過ごす時間を共有することで、自分の見ている世界が変わっていくことに気づく。

 

まさにコロナ禍の数年は、特殊な環境に置かれた人々が自分と向き合う日々だったといえる。それぞれの日々の中で、自分と向き合った結果何を見つけたのか。

このドラマはそんな振り返りのきっかけを作ってくれたと思う。

 

この二人のお話がよかったかな。