常々思っていたが、SMAPの5人の中で草彅君が一番役者らしいし、演技も上手だと思う。

何より、彼は顔がでかい。

これはネガティブな意味ではなく、役者は小顔より顔が大きい方がよい。

画面、舞台で映えるからだ。その点草彅君の(体格に比する)顔の大きさは立派だ。

 

罠の戦争は、「●●の戦争」シリーズの第3作らしい。

巷で言われている通り昨今のドラマでは珍しいベタな展開のドラマで、でも、それが安心感を与えてくれている。

 

「半沢直樹」ほど芝居がかってはおらず、草彅剛の演技も抑制の利いたセリフ回しに表情のつくり方で好感が持てる。

徐々に権力を手に入れていく過程で見せる、細かな表情や行動の変化の表現力が素晴らしい。終盤でそれまで抑えていた感情が爆発する過程も、役者としての懐の深さを感じる。

 

アイドル出身でここまでよい演技をする主人公を、脇はしっかりとした役者で固めているので、キャスティングでも安心感、安定感のあるドラマだ。

 

草彅演じる鷲津の妻に、井川遥。

政治家の面々は、高橋克典(好きな俳優の一人。かつての匿名係長が今や総理・・・笑)、岸部一徳(「不毛地帯」の里見常務を思い出す。あの役は素晴らしかった)、本田博太郎(わ・し・ず! 笑 名バイプレイヤー)、小野了、小澤征悦、片平なぎさと豪華。

 

また田口浩正、諏訪太郎、六平直政、神保悟志、飯田基祐、矢柴俊博といった馴染みのバイプレイヤーも華を添える。

「全裸監督」で文字通り体当たりの演技で注目を浴びた、冨手麻妙もちょい役で出演。

 

鷲津の事務所の秘書は、個性派の坂口涼太郎、若手伸び盛りの杉野遙亮、そしてMATT注目の若手女優、小野花梨だ。

小野花梨はこのドラマではセリフも多く、出番もしっかりあり重要な役回りを担っている。

しっかり者で芯も強いが、女性らしいしなやかさも備えた魅力的な新人秘書を好演している。

やっと話題作でいい役をつかんだので、今後の活躍を期待したい。


物語序盤は鷲津の秘書としての活躍、そして息子がかかわる事件を経て政治家に転身、その後どんどん周囲が見えなくなり孤立していくが、最後に痛快な大逆転、という展開。

政治の世界を風刺たっぷりに描いているが、このドラマも「エルピス」同様、最近元気のある関テレ制作だ。キー局ではためらうような企画も、関テレに持って行けば大丈夫だ!笑

 

肩の力を抜いて楽しめたので、「●●の戦争」シリーズ、観たくなった。

機会を見つけて見てみよう。

 

注目している小野花梨。

彼女、柔らかくてとてもいい雰囲気を持っている。