シーズン2の1,2話、土村芳がゲストの話までは前回書いた。
ここでは3話~11話(最終話)までについて書きたい。
果たして同じ設定、舞台でシーズン1,2、計21話も持つのだろうか、、、と不安だったが見終わってみると爽快感とともに心に残るドラマになった。
シーズン2では綾野剛演じる主人公の鴻鳥だけでなく、サブキャラクターのメンバーにもスポットが当たり、それぞれの人生が描かれる。
1話で佐々木蔵之介(まさに主演級)が登場するが、彼が演じる離島で医療を担う医者は終盤で星野源演じる四宮医師の人生に大きな影響を与える。
また、1話では新人研修医だった下屋(松岡茉優)、白川(坂口健太郎)の若い二人は、壁にぶち当たりながらもたくましく成長していく。
吉田羊演じる小松も人生の選択を迫られる。
こういった主要キャラクターの人生は、これまでシーズン1を見て来たからこそ、その生き方に共感できる作りになっていて見ごたえがある。
シーズン2でも個性的なキャストで楽しめる。
松本若菜、古舘寛治(珍しく髭無し)、宮沢氷魚(あの宮沢和史の息子、WOWOW版ソロモンの偽証で好演)など。
そして各話のゲストの妊婦やその夫もバラエティに富んでいて、シーズン1と同じく毎回のエピソードも考えさせられる。
医者は命を助けるのが仕事、そして子供を産むという行為は夫婦がしっかりと話し合って夫婦自らが決めないといけない。この原則は決してぶれることはない。
3話 川栄梨奈、4話 安めぐみ、5話 篠原ゆき子、6話 福田麻由子、7話 須藤理沙、8話 芦名星、9話 野波麻帆、10話 りょう、10話・11話 初音映莉子と各話熱演で見ごたえあるが、5話と9話がなかなか素晴らしかった。
うち特に5話の篠原ゆき子の熱演は涙を誘う。
死産を決意する時の彼女の悔しさと無念を押し殺したような泣き方、その演技は実に真に迫っていて、このシリーズ一番の演技。感動させてもらった。
ちなみに夫役は深水元基。セリフはほとんどないが、良い演技。
篠原ゆき子。「グッド・ドクター」でも妊婦役を好演したとか。
あの「カルテット」で本物の真紀役をやってた。
演技力高い役者さん。
このドラマでの吉田羊は、本当に良かった。
こういう男前?で心根の温かい女性が職場にいたらいいな、と思う。
彼女演じる助産婦の小松を見ていると、昔、通訳でお世話になったエイコさんを思い出してしまう。。。。
吉田羊のキャリアの中でも、最も印象深い役だと個人的には絶賛。
それから後半は出産前にお腹の子がダウン症の可能性があるとわかり、産むか産まないかの判断を迫られる夫婦の問題に焦点が当てられている。
奥山佳恵がダウン症の子供を持つ親の役で出ているが、彼女自身本当にダウン症の子の親であるので、劇中のセリフに説得力がある。
またドラマの中で紹介される「オランダへようこそ」という詩は、子を持ち育てるということについて、多くの示唆に富んでいる。
最後に、塩見三省と四宮の親子の関係。
男として、親子として、そして医者として、言葉が無くても通じ合う二人のつながりを描いたショートストーリーは輝いていた。
シーズン1,2を、是非通しで見たいドラマだ。