こんなに早く見れるとは。。。。

 

よい原作、よい脚本・シナリオ、よい監督によい役者。

全てがそろった作品で、面白くないわけがない。

 

最近時、新たな役に果敢にチャレンジしている有村架純の最新作。

劇中では「ナラタージュ」の時より更に攻めたベッドシーンも披露したり、裏世界を生き抜いたヒロインを演じたりと、彼女にとって様々な「新」があるが、それでもブレずに「有村流」を表現していて、彼女の女優としての魅力を楽しめる一品。

 

今泉力哉監督とは「有村架純の撮休」2話・6話でのタッグ以来だろうか。

確かな実力のいい絵作りをする監督に支えられて、この映画での有村架純も輝いている。

 

ちひろさんは、深い孤独を抱えて生きているが、彼女の周りにいる人たちもまた人に言えない孤独を抱えて生きている。

そんな人たちと接したちひろさんは、ある時は肌を重ね合わせてお互いの存在を確かめあい、ある時はそっと手を差し伸べて彼・彼女の居場所を教えてあげる。

 

ちひろさんは、みんなの孤独を受け止めてあげたうえで、また自分の孤独と向き合って生きていく。その生き方が少し切ないけれど、でも楽しそうに見えるから不思議だ。

それは彼女自身、深い孤独を抱えながらも「同じ星の人」に巡り合うことを楽しんでいるからかもしれない。

 

オカジを演じる豊嶋花、最近よく見るのだがほんとこの子スゴイ女優さんだなと思えてきた。このドラマでも有村架純に負けない演技で存在感を発揮している。

佐久間由衣演じるシングルマザーと、その息子のマコトと焼きそばを食べるシーンで、我慢できずに泣き出すシーンは、それまでオカジが抱えて来た苦しみを一気に吐露するような演技で、ついついウルっとしてしまった。

 

佐久間由衣もちょい役だったが、勝気の裏に弱さをはらんでいる母親役で、いい演技をしていたと思う。また別途彼女については書きたい。

 

リリー・フランキー、風吹ジュンとは「有村架純の撮休」でも共演していたが、特に風吹ジュンとは同作の1話で母娘役での共演だった。

ここでもとても息のあった二人の自然な演技がよかった。

風吹ジュン演じる多恵のちひろを見つめる眼差しの優しさ。

ちひろの多恵を大切に思う気持ち、この映画の見どころだ。

 

ちひろさん の魅力は人との距離を近づけて時には激しくぶつかるが、ぶつかることでお互いの思いや生き方の違いを確かめ合い理解する優しさがある一方で、必要以上に人の心に踏み込まず距離を置き、そっと見守る。

その絶妙な距離感が魅力なのだろう。

だが、その距離感は彼女が抱えている深い孤独がそうさせるのかもしれない。

その生き方にMATT自身、とても共感できたのでこの映画は心に残る一品となった。

そうでなければ、あまり面白くない映画かもしれない。

 

ちょい役でいうと、ちひろさんの人生に強い影響を与えた「元祖」チヒロの市川実和子は、存在感ばっちり。ちひろさんの親友バジルを演じるvanは、色っぽいいい女優さん。

知らなかったので調べたらなんとトランスジェンダーで元男性。とても綺麗な人で魅力的。

 

「ちひろさん」は、有村架純のターニングポイントになる作品だと感じた。

これからの彼女の女優人生をまた追いかけていきたい。

 

豊嶋花。よいです、彼女。最近時10代の女優さんの実力がすごい。