上司のNさんが3月末で帰任となったので、今週から取引先さんからの送別会のお誘いが目白押し。3月中旬ごろまで昼のみならず夜も時間を取られてしまうため、ドラマ・映画を視聴する機会も少なくなりそう。。。

 

この「祈りのカルテ」もそんな背景があり、見終えるのに時間がかかってしまった。

医療モノは外れがあまりない。

特にこの1年、医療ドラマは質の高いドラマを多く見た。

それらの中では、それほど心に響く内容ではなかったものの、連続ドラマとしてはまとまり良く楽しめる内容だった。

設定の細部にちょっと無理があったりと、素直にドラマの世界に入り込めなかったのは残念だが、、、、

 

若い玉森裕太が主演で、彼の演技はまだまだ発展途上なのだけど、主人公を支える役者さんたちがベテラン・実力者ぞろいなのでドラマファンとしては満足いく作品。

池田エライザが出ていたから見た、というのもあったが。。。笑

 

その池田エライザは、しっかり彼女のやるべき仕事はしていて役者として実力をつけてきているな。。。。とうれしい限り。

 

玉森演じる主人公の良太、池田演じるみどり、矢本悠馬演じる裕也の3人の研修医とその同期3人の2年におよぶ研修を中心にドラマは進んでいくが、研修先のドクターがまた曲者ぞろいで、いい役者を配置している。

 

松雪泰子、椎名桔平、斉藤由貴、勝村政信(異色の小児科医役が最高)、りょう、小手伸也、高橋努、観月ありさ(変わらず綺麗・・・)、片桐仁、高嶋政宏(緩和ケア医役が絶妙)が、それぞれ所属する診療科の(一般的な)イメージに沿った演技をしっかりこなし、物語に厚みを与えている。

 

良太の父親役の矢柴俊博はキャリアは長いが、最近時はバイプレイヤーとしてひっぱりだこだ。あちこちに出ているが、「ガンニバル」の駐在役は少しの出演ながら強い印象を残した。

放映中の「罠の戦争」でも実直な運転手役を好演している。

 

みどりと心を通わす患者役に豊嶋花。まだ15歳だ。

「大豆田とわ子と三人の元夫」で注目していたが、なかなかの演技達者。

2月公開予定の有村架純主演「ちひろさん」での演技も期待。

 

また各話でもゲストが熱演。

仁村沙和、矢田亜希子、堀田真由ら女優陣は期待通り。

伊武雅刀は「アンサング・シンデレラ」の時も胃がんの役。。。被ってしまった。

 

個人的には5話でマネジャー役で出ていた、梅船惟永(うめふねありえい)は好きな女優さん。「半径5メートル」で知ったのだったろうか。雰囲気が好き。。。

 

各キャストの色が安定してくる中盤から面白くなっていく。

特に、成海璃子出演の5話は彼女の高い演技力もあいまって、素晴らしいお話になっている。そしてこの話での出来事が最終話につながり、視聴者を納得させてくれる。

また、8話の山崎紘菜もちょっとやんちゃな女性を好演。

主演した「汝の名」や「DORONJO」と順調にいい女優さんに成長していると感じる。

モデル上がりの女優さんは多いが、モデルさんは他人にどう見られるか、ということを常に意識しているので、俳優として生きていくための勘所みたいなものが備わっているのだろうか。

 

カルテを通じて患者が抱える闇の部分に光を当て、患者に寄り添いながら治療していく、というのが基本のストーリーだが、物語の本筋は玉森演じる良太の成長譚だ。

そこに原田泰造演じる、実の親との心の交流が絡まり、物語は佳境に。

原田泰造は末期がん患者の役作りのため、10kgも減量したという。

もともと目がギョロっとしていることもあり、役作りの成果は存分に出ていた。

 

実の父との再会と別れの舞台である、緩和ケア科での研修を描く最終話は心にしみる。

また最終的に良太が選んだ循環器内科に至る経緯も、伏線回収が自然で良かったと思う。

 

緩和ケア科というのは総合病院の中にあって特殊な存在だろう。

物語中でもあった、病院というのは人が死ぬところではなく、元気になって元の生活に帰っていくところ、だからだ。

ホスピスを描いたドラマといえばNHKの「ライオンのおやつ」(土村芳主演)が傑作なので、これはぜひ多くの人に見てもらいたい。

 

斉藤由貴、りょう、観月ありさ、と魅力的な女医さん勢ぞろいだったが、松雪泰子の精神科医に一票。あの艶っぽい声で診察を受けたい。。。。(妄想中)