山田杏奈主演作品を探していたら行きついた一品。

正確には玉城ティナとダブル主演。

 

日本の漫画・アニメの文化的クオリティは非常に高い。

表現力や想像力の豊かさが、他国には類を見ない魅力的なコンテンツの宝庫となっている。

ドラマや映画も最近漫画・アニメ原作が多いが、それもうなずける。

 

山田杏奈、玉城ティナに加え、畑芽育、横田真悠、田中珠里と言った、個性的な美少女5人が性と人を好きになる感情の狭間で揺れ動く、、、、とだけ書くとありきたりだが、ドラマはその心の揺れ動きを、モノローグ形式で個性的な5人に語らせる手法でより鮮明に5人の少女の心象を際立たせている。

 

監督は酒井麻衣。MATTの中では名作の「恋のツキ」を撮った女流監督。

あの京都造形芸術大で映画製作を学んだだけあり、「恋のツキ」もこの作品も映像がとてもきれいだ。女流監督らしく、女性の気持ちを繊細に切り取る技術や、光と影のコントラスト、また様々な温度の光を表現する力が素晴らしい。

 

いきなり冒頭1話からポルノ小説の朗読会、少女たちの口から数々の隠語が飛び出すなど、穏やかでない滑り出し。

ただ、そこから5人の恋模様、そして性欲と恋愛感情のバランスに悩み、焦り、迷走していく様が小気味よく描かれる。

モノローグで語られるように、男と女の微妙な心のすれ違いだったり、それぞれの性の持っている決定的な差だったり、若者だけでなく大人が見ても楽しめるお話となっている。

 

山田杏奈はやはりこのドラマでも地味でややみじめな役回り。

ただ、比較的笑顔も多く、元気な彼女が見れる数少ない作品だ。

 

横田真悠や田中珠里らの演技力、玉城ティナの圧倒的美少女ぶりなど観るべき点はあるが、このドラマでは畑芽育の存在感が光った。

「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」で痴漢被害に遭う女子高生役で初めて知ったが、難しい役ながらいい演技で注目していた。

本作品でも彼女の武器である透明感を存分に発揮し、細かな心理描写も上手く表現していた。最近ドラマ出演も増え、軌道に乗ってきているようで活躍を期待したい。

 

文芸部の顧問になるミロ先生役の古川雄輝は「ごほうびごはん」で桜井日奈子の相手役として出ていたが、本作では持ち前のクールな印象を上手く役に結び付けて演じていたと思う。

 

現役高校生が「あおはる」を思い描き悩みながら見るもよし、青春は遠い昔に終わってしまった大人が「あの頃は何を考えて生きていたんだろう、、、、」と思いを馳せるもよし。

美しい映像と、大人の一歩手前で真剣に思い悩む少女たちの、かっこ悪いけど輝いている姿を見るだけでも価値のある作品だと思う。心に残る一品でした。

 

畑芽育。横顔が綺麗な女性って素敵です。