池田エライザ24歳の時の作品。

なのに高校一年生の役。

だが、いいのである。

このドラマ、真面目なテーマでありながら、作りはコメディなのでその他配役も、およそ高校一年生には見えない配役となっている。

吉川愛やゆうたろう、主演の池田エライザは20代前半なのでまだいいけど、増田貴久(34)、城田優(35)、溝畑淳平(31)、大西礼芳(30)、筧美和子(26)などは結構厳しい。。。笑

 

コミュ症の古見硝子(池田エライザ)を中心に、やはり他人とのコミュニケーションに苦しむ只野(増田貴久)、万場木(吉川愛)、成瀬(城田優)、片居(溝畑淳平)らが、友情を深める過程で、自分たちの心の中のわだかまりを乗り越えていくお話。

 

池田エライザは、劇中ほとんどしゃべらない。

極度の対人恐怖症で、言葉を発することができず筆談でコミュニケーションを取る。

彼女を様々なドラマ・映画で見てきたが、こんなに女性として可愛らしい池田エライザは、この作品が一番だった。

 

言葉を発しないことで、目の動きと顔の表情だけでコミュニケーションを取るわけだが、そもそも彼女は表情が大きく動くタイプではないので、どうやって言葉を、感情を相手に伝えるのか、とハラハラして観ていた。

 

だが、あの無表情さが意外によかったりする。

時折見せるオーバーな表情だったり、困った顔だったり、それらが彼女の魅力を増幅させているように見えるのだ。

 

古見硝子はじめとして、出てくるキャラクターがみんな尋常ではなく普通でない。

普通でない、というだけで疎外され攻撃を受ける世の中であるが、もう一度「普通」とは何なのか?を自問自答することが他者の理解のきっかけになる。

「普通じゃないよ」という前に、もう一度目の前にいる他者のことを考えてあげよう。

そういう社会が成熟した社会なのだ、ということなのだろう。

 

大西礼芳は、生徒会長に立候補する潔清子役を好演していた。

その親友役の筧美和子、彼女はどんな役をしても「筧美和子」なのが素晴らしい。

ディスっているわけではなく、褒めているのだ。

いつも筧美和子の存在で、ドラマ・映画の役がハマる、というのは彼女独特の持ち味なのだろう。

 

高橋克実のナレーションが効いていて、3話以降あたりから結構笑えるシーン続出、大西礼芳と筧美和子の友情のシーンや、池田エライザと吉川愛が恋愛と友情のはざまで葛藤し、友情を深め合うシーンなど、ほろっとくる場面もあり、楽しめた一品だった。

 

増田貴久も、人の好い只野役を好演。

ドラマの冒頭で二人が黒板を使ってコミュニケーションを取る場面は、とてもほっこりしてよいシーン。