先日の出張時、ダイちゃんより面白いドラマだ、という話を聞いたので観てみた。

2014年と2017年にTOTAL3シリーズ、すべてこの2日で視聴。

(スピンオフの比嘉ミカの2話目だけ再生できずネットで見たけど。。。)

 

原作が金城一紀。「SP 警視庁警備部警護課第四係」「奥様は、取り扱い注意」などの原案、「dele」の脚本など、いいドラマを作っている人だ。これは期待できる。

 

小栗旬主演のドラマは初めて見たかもしれないが、抑えた演技ながら主人公の苦悩を表現していて話に入り込めた。

何より、小栗旬、同僚の青木崇高、そして上司の遠藤憲一の全員が軽く180cm越えの長身で、スーツで走る姿がかっこいい。

刑事はやはりこうでなくては、というお手本のような3人を見ていると、かつての名作刑事ドラマ「特捜最前線」を思い出してしまう。みんなスーツの着こなしがかっこよく走る姿も様になってた。

 

金城一紀の作品は一見突拍子もない設定が多いが、構成の妙で不自然さがあってもストーリーの面白さで視聴者を独特のワールドに引き込んでいく。

このドラマも小栗旬演じる石川がある事件で死にかけ、そこから死者が見えるようになり、彼らとの対話を通じて事件を解決していく、という一歩間違うと陳腐な展開になりそうな設定。

しかしさすが金城さん、上手いプロットで全然飽きさせずに楽しませてくれる。

タイトルの「BORDER」には最初、死と生の境界線の意味なのかと思っていたが、それだけでなく、法の裁きと私刑(リンチ)、正義と悪など様々な境界線の存在を指し、そのはざまで迷う人々をドラマは描いている。

 

本編が9話、スピンオフドラマが2話、最後にスペシャルで1話とその世界観を堪能するには十分だ。

 

石川が死者との対話を重ねるたび、この世界では正義を貫き続けることと悪事に手を染めることの境界線があいまいなことに苦しむ。

そして自分がどちらの側にいるのかも不確かになっていき、、、、、

だんだん壊れていく過程が残酷なまでに描かれ、そして衝撃の結末へと。

 

大森南朋との最終話はあれでよかったのだろう。

なぜなら、この作品のテーマが「正義と悪は裏表」なのだから。

石川が正義のためにやってきたこと、それらは表から見たら正義だが、裏から見ると悪そのもの。それを石川自身がどう受け入れるか、が3年後のスペシャルで描かれる。

 

比嘉ミカ役の波瑠は当時22歳。ぴちぴちだ(死語)。

この翌年のドラマ・大江戸捜査網2015で初めて彼女を見た。

町娘の役だったが、めっちゃ可愛かったのでびっくりした覚えがある。

演技も最初は固かったが、だんだん良くなっていって最後は比嘉ミカになりきっていた。

 

野間口徹、浜野謙太、滝藤賢一といったバイプレイヤーも効果的。

古田新太や北見敏之といったところも渋くてよい。

 

またスピンオフでは、当時15歳の清原果耶がエッジの効いた役で登場。

15歳でサイコパス役、これがさすがの演技でやはりこの子末恐ろしい。

 

もう一人、比嘉ミカの学生時代の同級生役に仁村紗和が。

彼女主演のドラマ、見てみたいんだよなあ。。。。

 

BORDERが面白かったので、SPやCRISISなど、他のシリーズも見てみたくなった。

 

最後に、比嘉ミカを演じる波瑠。

2014年当時の若い頃はきりっとしてシャープでかっこよかった。

最近は丸く穏やかになったという印象。