ドラマではこの冬一番の話題作だろう。
脚本家がこのドラマをやるために退職してTV局に持ち込んだのだとか、キー局ではGOが降りず関テレが名乗りをあげたとか。。。
それだけマスコミにとって「パンドラの箱」だったこのドラマ。
正直、どこまで切り込んでいくのかと思って観続けたが、最終話で視聴者も主人公の浅川(長澤まさみ)や村井(岡部たかし)、岸本(眞栄田郷敦)、さくら(三浦透子)らとともに、「信じることができる仲間」の一体感の中で目的を果たせた、というカタルシスを感じることはできたと思う。
長澤まさみは、最近ますます円熟味を増していくようだ。
「都市伝説の女」をやっていた時は、この人はこのままこんな女優さんで終わってしまうのだろうか、、、といらぬ心配をしていたのを思い出した。
それが2017年の「散布する侵略者」あたりから、女優として凄みを増すようになっていく。
以降は出演する映画、ドラマで長澤まさみの魅力を存分に発揮して話題作を連発。
彼女の魅力、それは親しみやすさとともにある秘めた強さ、みたいなものかと。
同年代の綾瀬はるかと共に、今後ドラマ・映画界をリードする存在になっていくはずだ。
鈴木亮平との濃厚なラブシーンも含め、長澤まさみキャスティングで本当によかった。
眞栄田郷敦は、「ノーサイド・ゲーム」が初見。
その時はそれほどインパクトを感じなかったのだが、今回は強烈な爪痕を残したと感じた。
父親(千葉真一)譲りの強い目力。これはもう父から受け継いだ才能と言うしかない。
繊細な心理描写を表現できる、いい演者になる可能性大いにありと思う。
三浦透子は重要な役まわりだったのだが、彼女の演技を見る機会が少ないキャスティングだったのが無念。
一方で永山瑛太はちょい出演で相当な存在感。
最近、彼のやる悪役が好きだ。そこはかとない闇を抱えている演技は秀逸。
本作品ではストーリー上スポットをあてられなかったが、彼の犯罪者役はまた見てみたい。
最終話の長澤まさみと鈴木亮平の緊張感あふれる交渉は、このドラマの中でも一番の見どころと言っていい。
中学生のような青い理想を振りかざすのは、大人の世界の非常識なのかもしれない。
しかしその非常識よりももっと非常識な世界がこの世に存在するのなら、自らの信じる道を貫き通すことこそ正義になる。
冤罪をテーマに扱ったのもMATTにとっては嬉しかった。
ドラマの中で冤罪事件に関する知識・情報が色々出てくるが、大学時代からずっとそういう本も読んだりしていたので、まさに興味ある分野。
よくぞ地上波TVドラマでやってくれたと拍手喝采だ。
バイプレイヤーで気になった女優さん。
木竜麻生(きりゅうまい)。
あまり作品は多くないけど、また見ていたい女優さんでした。