まったくもって不覚の極みだった。

有村架純ファンとして主要な映画、ドラマで観ることができる作品はほぼ観た、、、と思っていたがこんな佳作があったとは。

 

2018年、有村架純25歳の時の作品。

RAILWAYSシリーズの3作目。

MATTは鉄道オタではないが、鉄道が好きだ。

遠く離れた町と町を結び、その間に人々の生活がある。

 

福知山在住時代、山陰本線には本当にお世話になった。

日本のローカル線のほとんどが赤字路線だ。

山陰本線はその中でもまだメジャーな路線だが、本作に出てくる肥薩おれんじ鉄道のようなローカル線は数多あり、そのいくつかは毎年廃線になっている。

都市部の人にはピンとこないかもしれないが、これらの路線は人々の生活に深くかかわっていて、その多くはその土地の歴史そのものなのだ。

 

これまでの有村架純が演じた役とはちょっと一味違った役まわりだ。

連れ子のいる男(青木崇高、優香の旦那さんですな。。。)と結婚し、夫となったその男は急逝、子供を連れて、夫の実家の鹿児島に転がり込むという設定。

しかも彼女がしていた仕事はガールズバー。水商売だ(ただし映画では触れられず)。

これまでの可憐な役ではなく、連れ子を育てるシングルマザー。

健気さは相変わらずだが、ちょっと違う有村架純を観ることができる。

 

義理の父親役は国村隼。

亡くなった母親が、国村隼と小林薫のことを好きだと言っていたのを思い出した。

二人ともいい役者さんだ。

国村隼のような渋い男になりたいと思うけど、無理だろうな。。。。笑

 

お母さん役の有村架純はなかなか観ることができない。

「有村架純の撮休」7話の「母になる(仮)」くらいだろうか。

でもあと何年かしたら、彼女も母親役をやるようになるんだろう。

 

劇中、半成人式というイベントが描かれるシーンがある。

最近、母の日とか父の日のイベントが行われないことが多いらしい。

片親の家庭が増えているからだ。

血のつながらない親子や離婚してシングルマザー、ファーザーというのが、それほど珍しくなくなってきているのだろうか。

子供にとってはすごくセンシティブなことなので、やはり細心の注意を払うべきだと思う。

 

ドラマはそんな微妙な関係性の親子が、お互いを思いやる気持ちに気づいて家族の絆を深めていく過程を穏やかに描いていく。

有村架純にとってまた一つ新しい扉を開いた作品として、よい映画だった。