坂元裕二の書く脚本が好きなのかもしれない。

このドラマもいつか見たいと思っていて、やっと見ることができた。

とにかく群像劇を描かせると、本当に魅力的なキャラクターと会話、そして泣ける関係性を見事表現する、すごい脚本家だと思う。

 

このドラマも、坂元裕二ワールドを体現する、完璧なキャスティングといえる。

 

満島ひかり。

10年も前のこと、まだ彼女が女優として走り始めたころ、「気になる女優さん」シリーズで取り上げた。彼女の余人に代えがたい魅力になんとなく気づいていた。

そして、とても豊かな表現力を備えた女優さんになったと思う。

 

松たか子は、実はほとんど彼女出演のドラマを観てこなかった。

それが「大豆田とわ子」とこの「カルテット」と立て続けに見て、その魅力に関心。

今更だが、、、、、

大人の女の魅力があふれる、とても素晴らしい女優さんだ。

こんな女性としてのみならず人間として可愛い女性が身近にいると、惚れてまうやろ~、である。

 

松田龍平は、本当に最近お父さんによく似て来た。

松田優作ファンとしては、なんだかうれしい。夭逝した父の面影をもった俳優をTVで見られるだけで幸せだ。

彼も余人に代えがたい俳優であることは間違いない。

 

高橋一生。

好きなタイプの役者。「インビジブル」は世間的評価もあまり高くなく、実際面白くはなかったけど、彼の演じるアウトローな刑事は、ひょうひょうとした中にも切れ味鋭いナイフのような危うさを上手く表現していて、個人的には大好きだった。

 

この個性的で演技巧者の4人と坂元裕二の脚本があれば、もう言うことはないだろう。

肩の力を抜いて、存分に坂本ワールドに浸るだけでよいのだ。

 

のほほんとしたムードで始まる冒頭から、サスペンスの様相を呈してくる中盤、そして謎がすべて明かされる終盤まで目を離せない。

 

4人の不思議な関係が、その不自然さを感じさせず心地よい空気感のまま進んでいく。

思えば、こんな関係はファンタジーであり現実世界では存在しえない。

だけど、それが夢であればずっとこのまま一緒にいたい、と感じさせるのが坂元裕二のうまさなのだろうか。

そのテイストは最近放映された「初恋の悪魔」にも通じるものがある。

 

坂元裕二の描く恋愛シーンは、どこか切ない。

苦しいけれど、愛があればつかず、離れずが一番幸せなのだよね、、、と言っているようである。そういうのが嫌いな人には受け入れられないのかもしれない。