WOWOWドラマだ。

最近、地上波ドラマではなく、こういった配信ドラマの方がつくりが良い。

スポンサーへの忖度不要だからなのだろうか。

 

このドラマは山田杏奈が出ているので観たが、正直出番は多くなく肩透かしをくらう。

だが、古い因習に縛られた山奥の村で起こる奇怪な出来事、、、、という、横溝正史が作りあげたフォーマットをなぞったテーマだったので、そういった話が大好物のMATTは十分楽しむことができた。

 

原作は1979年の日本が舞台。

だがドラマは現代の話になっている。正直、現代を舞台にしてこういった閉鎖的空間での話がうまく作れるのか?と半信半疑で見始めたが、冒頭よりかなりテンポよく話が進み、ぐいぐい引き込まれて1日で6話すべて見てしまう。最近身近な暴風雨で村が孤立してしまい、外部からの助けがこない、といった設定が絶妙だった。

 

ややストーリー展開に強引な部分もあったが(オカルトチックに山田杏奈が夢の中の出来事を頼りに、事件に重要なあるものを探し当てる、など)、そういった細かいことは気にせず楽しめる。

 

横溝正史が金田一耕助シリーズで描いた終戦前後の地方の村々、それは都会化・近代化が進む当時の日本で、取り残されていく日本の古い文化、因習を象徴していた。

今でもそういったものが果たして残っているのかどうかはさておき、これらの地方の禍々しい部分は都会での生活との対比として描かれることで、日本が近代化の中で捨てて来たものに改めてスポットを当てるのだろう。

 

劇中よく出てくる言葉に「よそもの」という言葉がある。

MATTも子供の頃、母親の実家に夏休みなどよく長期滞在していたが、なんとなく感じる村の人たちの「よその子」という目線というか接し方に、子供ながら違和感を覚えていた。

この外から来た人間に対する警戒感と排除しようとする感覚が、村独特の空気になる。

母親の実家は、それほど山奥でなかったにも関わらず、だから山奥の山村など言わずもがなだろう。

 

松田龍平はあまり動かないタイプの俳優なので、こういう役にはぴったり。

また蓮佛美沙子は、ちょっと陰のある美人タイプのため、今回の配役はまり役だ。

 

伊武雅刀、綾田俊樹などこういった渋い役者がいないと、こういうドラマ設定ではつらい。

最近シュッとした中年や壮年が多くなってるけど、昔の日本、古い日本のドラマを作るには泥臭い人材が不可欠なのだ。

 

今回は蓮佛美沙子のちょっと陰のある美しさに一票。

 

山田杏奈は可愛いのだけど、なんか地方の少女の役が多い気がする。。。

そろそろ違う役も見てみたいのだが。

(田舎っぽい衣装がそのうち板についてしまいそうで、心配。。。)