このタイトルバックと主題曲がかっこいいね。
この夏シーズンのドラマの中でも最も好きなドラマになった。
坂元裕二脚本というので楽しみにして見たのだが、想像以上にMATTの心に刺さった感あり。
仲野太賀は同じクールでやっていたNHKの「拾われた男」でも好演。
松尾諭を演じるため、10kg太ったというが、そのおかげか印象がずいぶん柔らかくなった。
「コントが始まる」ではちょっととんがった感じで、あまり好きなタイプの役者ではなかったが、ぽっちゃりしてからのこの2作では、とても好印象に思えた。
彼はこのくらいの方が好感もてていいかも。好きな俳優さんになった。
林遣都はもう安定感でいえば抜群。
彼は若い頃からあの安定感ある演技で売ってきた役者さんだけど、最近更に磨きがかかって脂がのっていると思う。
松岡茉優の多重人格者の演技は「ミステリという勿れ」の門脇麦ほどの衝撃はなかったものの、でもさすがの演技で、やはり若手の中でも実力派最右翼の一人ということなのだろう。
柄本佑は「真犯人フラグ」での気持ち悪い、嫌な奴から一転、コミュ障の心優しい男に変身。
このちょっと癖のある4人が刑事でもないのに事件を解決していく、というところがこのドラマの見どころだが、起こる事件もやや猟奇的雰囲気があり、犯罪ミステリ好きにはたまらない演出も多数ある。(一般の民家に秘密の監禁部屋がある、または動機不明の連続殺人が起こるなど、、、)
松岡茉優演じる星砂を中心に、林、仲野の両名が恋のさや当てを展開するのだけど、物語のテンポがよく時折入ってくる謎の男、安田顕のキャラも立っていてよい。
個人的には、「最愛」と同じく刑事役の佐久間由衣がGOOD。
彼女、演技は徐々にだがよくなっているな、、、と思うのでもうちょっといい役をあててもらいたい。
土居志央梨とか、萩原みのりとか好きな女優さんが出ているのも〇。
満島ひかりや田中裕子がちょい役で(しかし重要な役どころで)出ているのはぜいたく。
ネットでも話題になっているが、10話までは基本的にシリアス+コメディタッチも添えながら来たが、突然最終話であれをやられたら、たまらない。
多重人格者の星砂が林遣都演じる鹿浜にお別れを告げに来るシーン。
鹿浜が好きな方の星砂は、仲野演じる馬淵の好きな星砂と別人格であり、とうとう鹿浜が好きな方の星砂の人格が消えてしまう、と伝えにくる。
目の前にいる、心から愛する人はいずれいなくなる。
だが、死んでしまうわけでもないし、どこか遠くに行ってしまうわけでもない。
いなくなった後も日常的に顔を合わせることになる。
その辛さを察して、ぐっとこみあげてくるものがあった。
林遣都の演技もすごみがあったし、松岡茉優の涙も美しかった。
このシーン、この後さっと雰囲気を変えて、最後はあっさりした別れへと流れていくが、その潔さがかえって、より二人の間に存在する永遠の別れの悲しさを増幅させる。
この最終回の別れのシーンは、心に残る名場面として長く記憶に残ると思う。
それほど美しくも切ないラストシーンだった。
仲野太賀もかなり良かったのだが、残念なことにこのラストシーンで全部持ってかれてしまったように思える。
演じ切った松岡茉優と林遣都に拍手、だ。
むやみな続編はいらないけど、スペシャルとかは見てみたい。