まず、松尾諭が役者として好き、というので彼の半生記ということから興味を持った。

更に、仲野太賀、伊藤沙莉が主演ときたら見ないわけにはいかない。

 

仲野太賀は「コントが始まる」で初めて知ったのだが、その後このドラマ、今放映中の「初恋の悪魔」と演技達者ぶりを見せている。

菅田将暉、柳楽優弥がMATTの中での若手No1だが、仲野太賀はそこに入ってくる役者さんだ。決して二枚目ではないが、憎めないキャラクターで人生の悲哀を強弱、緩急つけて表現できる素晴らしい俳優さんだと思う。下積みが長かったからだろうか。

 

人生の酸いも甘いも知った、年を取ってからの方が楽しみかもしれない。

ちなみにお父さんは、あの中野英雄。

アウトレイジファンにとっては、あの木村組長で有名な人だ 笑

 

物語はのっけから有村架純のサプライズ出演で驚かされる。

ファンにとってはたまらない演出。

 

NHKらしく豪華な俳優陣で、本人出演(井川遥や、青木崇高、柄本明、真木よう子など)もありさすがである。

6話くらいまでは松尾諭の破天荒な人生がテンポよく語られ、この役のために10㎏太ったという仲野太賀の軽妙な演技も素晴らしく、面白い。

ただ、7話のお兄さんとの絡みから出てくるアメリカ編のあたりから、少々中だるみっぽくなってしまうのが残念だ。

 

だが、このアメリカ編こそ、このドラマのテーマである兄弟の愛情を盛り上げるための重要なパートなのだ。

ちなみに舞台になるカラマズーはコロンバスからも4時間ほどで行ける街。

正直ミシガンの中でも田舎町だ。

本当に住んでいたのか、はたまた今回のドラマでのロケ地というだけなのかはわからないが。

(原作読めばわかるのかな)

 

このアメリカ編のおかげで最終話はとても泣かされる。

仲野太賀の泣く演技はとてもいい。

ほんと信じられないほど情けない泣き方をするのだけど、その泣き方がすべてをさらけ出して人間の弱さを体いっぱいで表現する。

 

俳優陣はみな名のある実力者が脇を固めているが、3人の女優さんに焦点を。

 

まず夏帆。

ちょい役なのだけど、彼女はやっぱりどんな役でもこなしてしまうので器用なのだと思う。

もっと主役で観たい。そのうち気になる女優さんで掘り下げてみたい。

 

北香那。

最近ドラマで活躍中の若手。

今回は超おタッキーな女子の役。最初誰かわからなかったが、実に特徴を捉えるのがうまい。

本当にこんな女子がいそう。

 

田辺桃子。

「ゆるキャン△」では大垣千明役。

本当にこの子は美人。演技力は確かなのでもっと活躍してもらいたい。

 

松尾諭の両親役の風間杜夫と石野真子がよかった。

関西人にはよくわかる、あのなんとも濃い人間関係の家族。

正直、家族でもいい加減もうええわ、と思う濃さ。

それを見事に演じ切っている。

太巻きをヘビロテで食べるとか、もう、どこかにいそうな家族だもんな。。。

 

兄弟って、昔の関係性が大人になってからでは保てなくなってくる。

微妙な距離ができてしまい、それがおそらく死ぬまでずっとそのまんま。

ラストシーンで仲野太賀が子供の頃の兄ちゃんに出会い、自分も弟の頃のように自転車で前を走る兄ちゃんを追いかける。

でも一向に距離は縮まらず、どんどん置いて行かれる。

これが兄弟の間にできた距離を表しているのかな、、、、と感じた。

悲しいけど、それが兄弟なのかもしれない。

 

草彅剛は、役者としてしっかり食っていけそうだ。

SMAPの中で一番味のある役者さんになったと思う。

 

伊藤沙莉は毎回期待を裏切らない、大好きな女優さん。

このドラマでも彼女の存在は大きい。