NHKの「よるドラ」はなかなかいいドラマを作っている。
何度も書くけど、いまやNHK、テレ東、WOWOW、Huluなど以外の民放ドラマは限界に来ているのではないだろうか。
役者(アイドル?)と原作頼みのドラマ作りには、視聴者はもう飽き飽きしている。
NHKだからこそ、桜井ユキを主演に抜擢できたのだろう。
民放ドラマではまず無理だ。
そして、桜井ユキが素晴らしかった。
本来、白石聖目当てに観たドラマだったが、桜井ユキの魅力にどっぷりはまってしまう。
彼女の大きな目、大きな口は他の女優には無い魅力だ。
あの目と口で真に迫る演技をされるとぐいぐい引き込まれていく。
「真犯人フラグ」での怪演も光るが、このドラマでは弱い人間を上手く演じ切っていた。
特に桜井が同僚二人に対しオタのカミングアウトをして、一人の同僚から馬鹿にされるような発言を受けるシーン。
その微妙な感情の揺れ動きを目と表情で演じ切ったシーンは、とても心揺さぶられた。
桜井ユキという女優の実力を観た気がする。
ドラマは冒頭からラストまで非常によくできたプロットで、サスペンス風でありながら徐々に主人公たちの心情にどっぷり漬かっていくことができ、飽きさせない。
オタクというコンテンツは「トクサツガガガ」でも見られたが、サブカルを扱うのもNHKならでは。白石聖はNHKに育てられていい女優さんになるのではないか、と思われる。
劇中のハナも、白石聖はとても繊細に演じている。
弱い人間、失敗した人間に冷たいのが今の日本。
桜井演じる愛や、ハナはお互いの弱さを認め合い、そして支え合うように友情を深めていく。その過程を見ると勇気をもらえるのではないだろうか。
桜井ユキに白石聖という二人の女優の今後が楽しみな作品であり、代表作ともいえるドラマになると思う。