倉科カナがシリアスドラマにチャレンジ。

そして、それは成功したように思える。

 

髪をばっさりショートにして、大人の女を演じることが多くなった彼女。

可愛いフェミニンなイメージの強かった倉科カナだが、ちょっと前の「刑事7人」、この間までやっていた「正直不動産」と、強い女性を演じることが最近は多い。

 

そして今回の「寂しい丘~」では、強い女性を演じつつも乱暴で狂気に満ちた男どもに蹂躙され成す術もない、か弱い存在である女性性も同時に演じている。

 

158cmの小柄で華奢な彼女だからこそ、猟奇的なストーカー男を前に成す術もなく蹂躙される存在を、見事に演じている。

 

この作品は1997年に実際に起こったストーカー犯罪をヒントに作られているが、世間的にストーカーというワードが認知されたのは、1999年のいわゆる桶川ストーカー事件ではないかと思われる。少なくともMATTの中では印象的に残っている事件だ。

 

ドラマの中でも男にはわかりえない恐怖を倉科カナと久保田沙友が好演している。

(久保田沙友は虫も殺せなさそうな正統派美少女なので、この役は適任)

実際に被害に遭った女性でないとわかりえないが、想像しただけでも恐怖を感じる。

 

だからこそ、最終話の法廷でのシーンでの二人のやり取りは、ぐっと心に迫るものがあり迫真の演技に感動した。

 

そこには、恐怖を乗り越えて覚悟を持って「狩られるもの」から「狩るもの」へと変貌した二人の戦友のような絆があった。

法律や警察の庇護の限界がそうさせたのだが、そこにあるのは絶望だったのか、希望だったのか。。。。ラストシーンでその答えが提示されているのだろう。

 

それから俳優陣では、平山浩行は結構好きな俳優だ。

シュッとしたイケメン俳優の多い昨今、ちょっと昭和の骨太な感じのいい男。

そんな俳優さんである。

 

最後に、倉科カナはとても素敵な女性になったな、と思う。

TBSの「もう一度君にプロポーズ」、フジテレビの「dinner」の頃がほんと可愛かったけど、今の彼女は大人のかっこいい女。

「トクサツガガガ」ではコメディも難なくこなすし、これからのさらなる活躍が楽しみ。