間違いなく、上期最高に面白いドラマだった(まだ3月入ったばっかりだけど。。。笑)
出演者には大いに惹かれたが、タイトル見てどうだかなあ、、、と思って一時避けたのだが、それでも見てみるか、と見始めたらもう最初の5分ではまってしまった。
時に哲学的な問い投げかけ、時に禅問答のような会話に首を捻り、時に日常の些細などうでもいいことに思いを巡らせたり、口角泡飛ばして議論したり、、、
なんとも自由なドラマだ。
伊藤家の平凡な日常(と言っても決して普通ではないが)を通じ、様々な家族の思いが交錯し、3人の娘の人生が描かれていく。
木南晴夏、佐久間由衣、武田玲奈、3人とも好きな女優さんなので、見ているだけで心洗われる。
昔、ポッキーのCMで3姉妹編というのがあり、MATTもいつか娘3人の家族を持ちたいと夢見たが、現実は一人娘で終わってしまった。
だからではないが、吉田鋼太郎演じるパパがとてもうらやましい。
第3話での吉田鋼太郎のセリフ、
「もがけ。きちんと悩め。人生には必ず終わりが来る。誰にとっても必ず途中で終わりが来る。だからやり残したことを後悔しても始まらないんだよ」
「やり残してこその人生だ! 娘たちよ。やり残しのある人生こそ素晴らしい人生だ!」
は、多くの視聴者の心に刺さっただろう。
これ、吉田鋼太郎が言うからこそ、心に響く。
下手な役者が言っても、何言ってんの、、、、となるセリフ。
こんなクサイセリフを真顔で言い放ち、納得させてしまう男がほかにいるだろうか。
実はこのドラマ、パパと娘3人が主役だが、妻役のMEGUMIと、木南晴夏の元カレの大森君(浜野謙太)の存在は偉大だ。
MEGUMIが演じるのは、何事にも動じず「そおねえ」の相槌ですべてを流す、できる妻であり母である。ある意味すべての男の理想の妻が彼女に凝縮されている。
また、大森君はめんどくさくてこだわりや哲学を大事にする昭和の男には可愛がられるタイプだ。想いは深く心もあるのだが、それをめんどくさいやり方でしか表現できない不器用な男。
この2人が、ドラマに深みを出していると言えよう。
それからドラマを通じて描かれる、食事の光景と数々の料理。
食にまつわるエピソードが、またいちいちこだわりが有り面白い。
どうでもよいことも、突き詰めていくと意味があったりなかったり。
その一つ一つにうなずきたくなる。
8話で終わってしまうのが本当に残念な一品。
ラストシーンはかつて家族で一緒に歩いた朝の道。
まだ娘たちが幼いころの記憶。
パパは途中で会社に向かうため妻と娘たちと別れる。
別れた後も名残惜しいように家族の後ろ姿を眺めようとするパパ。
そんなパパを何度も隠れんぼして見送る娘たちと妻。
そんな愛すべき過去の記憶を思い出しながら、大人になった娘たちを見送る鋼太郎パパ。
当然かくれんぼなどはしないが、ふと振り返り目が合う。
昔と同様、「しっかりやれよ!」と声をかける鋼太郎パパ。
そんなパパに、笑顔で「何言ってんのハンサムな顔して」と各々つぶやく娘たち。
このドラマ、ぜひ続編が見たい。
キャストは絶対変えてはいけない。この5人+大森君でもう一度、、、、、、