当時ハリウッド映画は停滞期。
そんな中、これまでになかったタイプのアンチヒーローが誕生しました。
いわゆるジョン・ウェインやケーリー・グラントなどのアメリカの良心、正義の味方ではなく
今そこにあるアメリカの姿を背景に、生々しい存在感のあるヒーローが生まれたのです。
もうヒーローは銀幕の中の遠い存在ではなく、自分のすぐそばにいる誰かになっていたのでしょう。
その代表作が「ダーティ・ハリー」なわけですが、この映画は原語で楽しむ以上に、
山田康雄さんの名吹き替え版が粋であります。
(ツネッチ!嬉しいだろ!!)
今日掃除をしていたら、たまたまビデオ(!)で録ったハリーが出てきました。
思わず懐かしく鑑賞。
淀川長治さんの日曜洋画劇場からの録画のため、少なくとも亡くなられる98年以前の
ものでしょうね。
もう、最初の30分で山田康雄ワールドが存分に堪能できます。
特にツネッチも大好きな、サンフランシスコ市長に上司である市警本部長と呼び出される
このシーン。
またそこから場面が変わり、ホットドッグスタンドのメキシコ系のおやじとの
軽快な会話のシーンから銀行強盗をマグナム44で仕留めて、黒人の犯人に
マグナム突きつけ、ホットドッグをもぐもぐしながらからかうシーンまで
イーストウッドと山田康雄による、ハリーワールドが堪能できます。
栗貫がルパンを引き継ぎ、そこそこうまくやってはいますがハリーはやはり山田康雄でないと
いけない、というのがMATTおよびツネッチの見解です(少数派かもしれませんが) 笑
でも、あらためてここまで見てみると冒頭のシーンを含め
アクションは西部劇の流れですね。
今のハリウッド映画にはもちろんなくなりましたが、このころのハリウッド映画のアクションは
まだ西部劇時代の匂いが残っていたようです。
というか、演じたのがイーストウッドだからというのもあったのかもしれませんが・・・・・。
ともあれ、DVDやブルーレイの商品はあまたあれど、山田康雄吹き替えのものはないようで
このビデオは大切に保管、ということでしょうかね・・・なあ、ツネッチ。
(You-Tubeでは観れるみたいだけど)