深谷のもやし屋、飯塚商店はミャンマー産のブラックマッペをもやしの原料にしていますが、今年の1月の半ばごろでしょうか、もやしが成長、品質が安定しなくなりました。それはミャンマー産の新豆を使いだした頃とほぼ一致しています。しかし常に品質の良いミャンマー産ブラックマッペ、これまで豆が新豆に代わったくらいでここまで変わってくることはありませんでした。

 

 そこから日々試行錯誤の連続、ようやく今回の豆の適正温度がつかめました。それは、昨年までと比べて栽培室の温度が3℃違うということです。もっとはっきり言うと昨年までは26℃設定温度でもやしが良く出来たのが、今年は29℃にしないとできない、ということです。

 

 適正温度の発見に半年も費やしたのは、これまでの経験から「この時期、そんな高いはずはない」と思い込んでいたことでした。基本「もやしの栽培にこれ、というマニュアルはない」のです。それぞれの生産者がその地に合った栽培法を見つけなければなりません。収穫年度が代われば当然豆の性質も変わるのです。私はこれまで「もやしの生育を見て栽培を変える」、と話してきました。

 

ならばこれまでの経験なんてなんの意味もなかったのです。その時、その時のもやしに答えはあったのですから。