大豆100粒運動』という活動があります。

 これは映画「天のしずく」でも有名な料理家辰巳芳子氏が強い想いを込めて提唱したものです。
そしてNPO法人「大豆100粒運動を支える会」によって運営されています。

5月26日(日)、東京都千代田区麹町の岐部ホールにおいて

大豆100粒運動を支える会の総会

が開催されるのですが、その席で私、深谷のもやし屋が特別講演をすることになりました。講演のタイトル

「在来大豆を使ったもやしで風土に根付いた食を」

です。

 2010年より着手した埼玉県産在来大豆もやし。初めて食したとき、その味の良さはもちろんのこと、食としての正当性に心を打たれ

「これはすごい食材だ。こういう良いものは普及させねばならない」

と誓いを立てて、まず
在来大豆という貴重な種を残しておきたければ農家さんを支えなければならず、そのためには在来大豆を活かした持続可能な経済活動を目指さなければならない、と意識を持ってここまでやってきました。

 当初は徒手空拳による大豆普及活動に精一杯でこのような「大豆100粒運動」など知る由もなかったのです。今回縁あってこのような機会をいただいたこと、まるで双方からトンネルを掘り進んで繋がったような気持です。

 講演では深谷のもやし屋といういち零細事業者の立場で実践してきた数々の普及活動を(今回はパワーポイントを使い)順を追ってお話し、解説する形になります。お金はないけど「熱を読む」ことに長けているのがもやし屋です。もやし屋だけではどうにもならない普及活動を、長年在来大豆に携わった県の職員さんたち、深谷市の産学官連携プロジェクト、豆農家さん、
地元の飲食店、食品加工業者さん、理解をしてくれたメディア、そして志同じくする友、といった方々と「熱で繋がり」、それが大きな力となってここまで歩んできました。まさに大豆熱で繋がる連携プレーです。

 また安さだけが注目されるもやしという食材ですが、在来大豆を原料にした在来大豆もやしは誰にも負担をかけない「適正な価格」での流通を実現し、少しずつその生産量も増えてきてます。在来大豆の持つ正しさは、行き過ぎた低価格競争に喘ぐもやし業界にも希望をもたらしているのです。

 当日はそんな希望のもやし、神奈川の津久井在来発芽大豆と埼玉の妻沼茶豆発芽大豆を一緒に試食していただこうと思います。


 全国の大豆普及に携わる会員さんにとって、ここまでのもやし屋の活動が何らかの気づきになっていただければ幸いです。